研究概要 |
本年度は,非言語情報インターフェイスによる行動情報の伝送とモデル化の研究における初年度に当たり,主に本研究で使用する非言語情報インターフェイスの選定および,そのインターフェイスを用いた行動情報の記録と再生を試みた.関節を有する機構の動作を記録する手段としては,ロータリーエンコーダやポテンショ,ジャイロ,加速度センサ,磁気センサ,光学式センサなどを用いて姿勢角を直接記録する方法と,筋電位などの生態情報を計測する方法が考えられる.一方,再生を行うための非言語情報のインターフェイスとしては,記録と同一の箇所に力覚や振動,音,電気刺激を行う提示装置を装着し,記録した情報に対応した刺激を提示する手法が考えられる.本研究では,非言語情報を記録する手段として,ポテンショをベースとした姿勢角センサを用い,再生する手段としては,DCモータのドライブによる力覚提示を行うこととした.これらの,記録と再生を行う界面としては,直接人体の関節角をベースとした記録再生を行うことを検討していたが,この方式では,被験者が全くどのような動作が記録されているか知らない場合には,わかりやすい動作の教示が行いにくいことから,保持型の小型ヒューマノイドロボットを作成し,そのロボット自体の動きと発生する力覚を通じて,間接的に動作を伝達することとした.このロボティックユーザインタフェースを用いる場合には,どのような動作を再生しているのかを人間と相似形のロボットを用いることで視覚的にも示すことができた.本年度は,この保持型ロボティックユーザインタフェースを用いることで,非言語情報インターフェイスによる人間の動作の記録と再生を実現した.
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