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2004 年度 実績報告書

近代日本仏教によるアジア布教とその思想

研究課題

研究課題/領域番号 04J09813
研究機関東京大学

研究代表者

辻村 志のぶ  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)

キーワード日本仏教 / 海外布教 / アジア主義 / 宗教者ネットワーク / ナショナリズムと宗教 / 近代仏教
研究概要

今年度の研究成果は大きく分けて三点ある。第一点は、本研究課題の調査対象である、近代における仏教者の国際ネットワークの発展モデルについて整理し、論文にまとめられたことである。『國學院大學日本文化研究所紀要』に発表した「関東大震災と仏教者」がそれである。同論文では、日中仏教を中心に、国際ネットワークの集大成である仏教の国際大会が企図される以前に成立した、個々の仏教者によるきわめてささやかな交流が、関東大震災という天災に際して救援のための仏教者による国際的なネットワークとして機能し、その結果をもとに、後の国際大会(東亜仏教大会・1925年)開催へと発展していった過程を明らかにした。
第二点は、第一点の成果を踏まえて、東亜仏教大会の後1929年に行われた「朝鮮仏教大会」に関する資料の入手および整理が進んだことである。日中仏教間のネットワークと朝鮮仏教とを結びつけた研究はまだなされておらず、日本仏教と中国仏教の関係、日本仏教と朝鮮仏教の関係は、個別に研究されているのが現状である。今期収集した朝鮮仏教大会紀要と雑誌『朝鮮仏教』、およびその他の資料は、これまで明らかにされてこなかった日朝中三地域における仏教者ネットワークの実際を描く重要な手がかりとなるだろう。この成果は、次年度に論文として発表する予定である。
そして第三点は、「仏教アジア主義」概念についての考察である。これは、従来の研究による、帝国主義・天皇制への迎合に基づく日本仏教の海外布教という見解を展開させ、当時の日本仏教を思想史の面から捉え直そうという試みである。なおこの概念については、思想史・政治史・文化人類学などの理論を参照した。成果としては、『國學院大學紀要』に掲載される論文のほか、2005年3月28日のIAHR(第19回国際宗教学宗教史会議世界大会)では、「近代日本仏教とアジア主義」と題し、若手研究者三名とパネルを組んで研究発表を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 明治期日本仏教のアジア布教とその思想2005

    • 著者名/発表者名
      辻村 志のぶ
    • 雑誌名

      國學院大學紀要 43(印刷中)

  • [雑誌論文] 現代宗教の周縁化2005

    • 著者名/発表者名
      辻村 志のぶ
    • 雑誌名

      現代宗教 2005(印刷中)

  • [雑誌論文] 関東大震災と仏教者2004

    • 著者名/発表者名
      辻村 志のぶ
    • 雑誌名

      國學院大學日本文化研究所紀要 93

      ページ: 153-178

  • [雑誌論文] 現代宗教者の発言と沈黙2004

    • 著者名/発表者名
      辻村 志のぶ
    • 雑誌名

      現代宗教 2004

      ページ: 252-268

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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