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2005 年度 実績報告書

分子と連続体のマルチスケール法による固液接触現象のミクロ流体解析

研究課題

研究課題/領域番号 04J10109
研究機関東京大学

研究代表者

塩見 淳一郎  東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)

キーワードカーボンナノチューブ / 分子動力学 / 熱伝導 / 界面熱抵抗 / 誘電泳動 / 物質輸送 / 相変化 / 氷ナノチューブ
研究概要

マルチスケール解析が応用上重要である系として,単層カーボンナノチューブ(Single-walled carbon nanotube, SWNT)とそれに関連する系の研究を行った.分子スケール現象として,SWNTの伝熱特性及び内包物質の輸送特性を,又マクロスケール現象として,SWNTの誘電泳動を取り扱った.
実用上のSWNTの多くは長さがフォノンの平均自由行程より短いため,その熱伝導率はチューブ長さに依存する.そこで,有限長SWNTの熱伝導率の長さ依存性及び境界条件がそれに与える影響を,非平衡分子動力学を用いてフォノンの視点より説明した.一方,想定する系によっては,欠陥や構造の異なるチューブの接続面,又は周囲材料との接触によってフォノン伝播が妨害され,熱伝導が抑制されることを定量的に示した.さらに,内部熱抵抗を有するSWNTの非定常熱伝導問題を取り扱い,フォノンの拡散及び弾道輸送の熱伝導特性への影響を体系的に評価した.
生態系に多く見られる低次元領域内での液体の一般系として,SWNTに内包された水の分子動力学解析を行った.まず,SWNT内で水を氷らせた際に起こる氷ナノチューブへの相変化を解析し,その融点,氷の結晶構造のSWNT径への依存性を求め,構造安定性を考慮して説明した.さらに,SWNTに温度勾配を与えると,内包された水が温度勾配に沿って輸送されることを示した.水は,主に水-水間のポテンシャルエネルギーの温度依存性よって生じる自由エネルギー勾配によって駆動されると考えられる.
生成後のSWNT束中には一般に金属と半導体SWNTが混合しており,電気特性を用いた応用を念頭に置いた場合,それらを分離する方法の開発が急がれる.そこで,非均一交流電場によって発生する誘電泳導力,ブラウン運動,流れ場,及びSWNT同士干渉等を考慮し,SWNTの軌跡をラグランジュ的な手法を用いて解析した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Non-Fourier Heat Conduction of Single-Walled Carbon Nanotubes2005

    • 著者名/発表者名
      Junichiro Shiomi, Shigeo Maruyama
    • 雑誌名

      Thermal Science and Engineering 13-4

      ページ: 89-90

  • [雑誌論文] Thermocapillary flow and phase change in some widespread materials processes2005

    • 著者名/発表者名
      Gustav Amberg, Junichiro Shiomi
    • 雑誌名

      Fluid dynamics and material processing 1

      ページ: 81-96

  • [雑誌論文] 温度差マランゴニ効果による液柱内非線形対流場のフィードバック制御2005

    • 著者名/発表者名
      工藤正樹, 塩見淳一郎, 上野一良, Gustav Amberg, 河村洋
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集(B編) 71-796

      ページ: 1617-1624

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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