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2004 年度 実績報告書

光・磁気・電気化学活性な金属を有する自己組織化機能性分子材料の創出

研究課題

研究課題/領域番号 04J10253
研究機関東京大学

研究代表者

堀 顕子 (武山 顕子)  東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)

キーワードカテナン / 自己集合 / パラジウム / ルテニウム / 金属錯体
研究概要

二価のパラジウム核を含む環状分子を効率的に合成し、可逆的カテナン化重合反応を用いて二分子の環状分子が空間を介して連結した「カテナン」の自己集合を行った。また、環状分子が二つ連結した新たな「八の字型分子」の合成を行った。この八の字型分子の可逆的カテナン化重合反応を行うことで、環状の三量体である「ビス[2]カテナン」を構築した。各化合物の構造は、X線単結晶構造解析、各種NMRや低温における質量分析法であるCSI-MS等から明らかにした。これらの環状分子がカテナン化する仕組みは、環骨格の有機分子部分が水を嫌って表面積を小さくするように働く疎水性相互作用であり、合成した環状分子に水を加えると速やかにカテナン化が生じる。また、有機溶媒を添加すると速やかに連結したカテナンの環を外すことができる。
さらに光・電気化学的に活性な金属を用いた自己組織化を検討し、二価のルテニウムを用いた環状分子の合成とその可逆的カテナン化を行った。得られた環状分子とルテニウム二核カテナンでは、基本的な組成や構造は全く同じであるにもかかわらず分光学的にも、電気化学的にもわずかにその性質が異なることがわかり、カテナンの16Å離れた二つのルテニウム間に静電的な相互作用が働いていることを明らかにした。また、ルテニウムを六核含む八面体型のかご状分子を効率的に合成した。得られたかご状分子は深い紫色を呈し、吸収スペクトルからMLCTバンドが顕著に高波長側へシフトしていた。また、この分子はさまざまな有機分子を取り込むことを明らかにし、わずかではあるがアダマンタン類の包摂と除去により可逆的に色が変換することがわかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Coordination Assemblies : From a Pd(II)-Cornered Square Complex2005

    • 著者名/発表者名
      M.Fujita, M.Tominaga, A.Hori, B.Therrien
    • 雑誌名

      According Chemical Research (Jan.15 web release)

  • [雑誌論文] A Circular Tris[2]catenane from Molecular ‘Figure-of-Eight'2004

    • 著者名/発表者名
      A.Hori, K.Yamashita, T.Kusukawa, A.Akasaka, K.Biradha, M.Fujita
    • 雑誌名

      Chemical Communication

      ページ: 1798-1799

  • [雑誌論文] Kinetic Self-Assembly : Selective Cross-Catenation of Two Sterically Differentiated Pd(II)-Coordination Rings2004

    • 著者名/発表者名
      A.Hori, K.Yamashita, M.Fujita
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition 43

      ページ: 5016-5019

  • [図書] 第五版実験化学講座 22 金属錯体・遷移金属クラスター2004

    • 著者名/発表者名
      藤田 誠, 堀 顕子
    • 総ページ数
      503-511
    • 出版者
      丸善

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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