【1】昨年度の研究成果である、男性の唾液中のTestosterone(男性ホルモン)・Cortisol(ストレスホルモン)濃度の個人差と、配偶戦略と関係すると考えられる対人関係の状態および行動特性との関連についての知見を国内外の学会において発表した。またそれらの知見を複数の論文にまとめ、現在投稿中である。 【2】液体クロマトグラフィー・タンデム型質量分析法により、女性唾液中の複数の男性ホルモン(Testosterone・Androstenedione・DHEA)および女性ホルモン(Estradiol・Estrone・Progesterone)を同時測定する方法を検討した。この方法により、Testosterone濃度が排卵前にEstradiolと同様の上昇を見せること、また健康な女性においてはAndrostenedioneと平行して変動することを観察した。さらに、これらのホルモン濃度の個人差と心身の健康状態・ライフイベントの経験率との関連について現在、データ収集および分析中である。(株式会社帝国臓器製薬メディカルとの共同研究) 【3】性別および性的指向(異性愛か、同性愛か)が、さまざまな社会的文脈におけるパートナー選択の好み、および心身の健康状態・ライフイベントの経験率とどのような関連をもっているかについて大規模な調査を実施した。現在までの分析では、男性同性愛者は極端に男性的な男性の顔を好む特徴があること、および女性同性愛者は中性的な男性の顔を好む特徴があることが示された。(立教大学上田研究室との共同研究)
|