研究課題
臨床現場での臓器移動・変形トラッキングを実現するため、前年度に開発したMRIによる4次元撮像法「Adaptive 4D Scan」の臨床用MRI装置への実装方法を見直し、制御ソフトエア及びデータ収集・処理ソフトウェアを新たに開発し直した。これにより撮像時のシステムの安定性が向上し、ボランティアや手術中の患者を含めた、幅広い条件下での撮像が可能となった。評価実験としては、(1)ファントムによる4次元撮像実験、(2)ボランティアの肝臓撮像実験、(3)MRI誘導手術の臨床中の全身麻酔下の患者の肝臓撮像実験の3つを行った。(1)においては、提案手法は撮像結果が撮像対象の動きかたに大きく影響を受けるため、撮像中のファントムの動きの制御が評価実験での重要な要素となる。本研究ではヒトの呼吸メカニズムを単純な力学モデルとしてモデル化し、麻酔機ベンチレータによって呼吸に伴う臓器の動きを再現する呼吸モデルファントムを作成して撮像を行った。その結果10-20分程度の撮像時間で呼吸1周期分の4次元画像を得られることが示されたと同時に、撮像の際のパラメータや撮像エンコーディング方向の設定方向と画質の関係を明らかにした。また(2)では呼吸下でのヒトの肝臓の撮像においても提案手法が有用であることを確認した。(3)においては手術中という限られた時間で肝臓の4次元撮像が可能であること、また得られた4次元画像により肝臓及び肝腫瘍の動きのトラッキングを実現したことを示した。以上の実験により、本研究の目的であるMRI誘導手術のための臓器移動・変形トラッキング法を実現した。
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20th International Congress and Exhibition, Computer Assisted Radiology and Surgery(CARS 2007)
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第4回生活支援工学系学会連合大会 論文集
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The 9th Annual International Conference on Medical Image Computing and Computer-Assisted Intervention-MICCAI2007 Lecture Notes in Computer Science(LNCS) 2879
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