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2005 年度 実績報告書

ディスク状多座配位子を用いた金属イオンの三次元集積化および機能性金属錯体の構築

研究課題

研究課題/領域番号 04J11506
研究機関東京大学

研究代表者

原野 幸治  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード全属錯体 / 分子認識 / 自己集合 / 超分子化学
研究概要

本年度は当初の研究計画に基づき、ディスク状多座配位子から形成される自己集合型金属錯体の機能化の研究を行った。配位部位として3-ピリジル基を導入した三座配位子Lと水銀(II)イオンから形成されるカプセル錯体およびかご型錯体を合成し、蛍光挙動を検討した結果、カプセル錯体では青紫色の蛍光が観測されたのに対し、かご型錯体では蛍光は完全に消光された。カプセル錯体とかご型錯体は水銀(II)イオンと配位子Lの濃度比を制御することにより相互変換が可能であり、錯体構造変換と連動した蛍光のスイッチングを実現できた。将来的には錯体の分子認識能と光学特性を組み合わせた新規分子認識システムの構築が期待される。
また、配位子Lは単独でも溶液内で会合体を形成することが見出された。配位子Lを水・メタノール混合溶媒中へと溶解すると、L六分子から成る立方体カプセル型の会合体が定量的に形成することがNMR、Massスペクトル測定およびX線結晶構造解析から明らかとなった。また、球状の中性有機分子をゲストとして加えると、これらの分子に適合する内部空間を作り出すためにL四分子から成る四面体カプセルへと構造変換することが示された。これらの会合体は疎溶媒効果およびピリジン環同士のスタッキングを会合の駆動力としており、疎溶媒効果を利用して構成分子数が厳密に定められた自己会合体が形成される極めて珍しい例と言える。
これらの研究成果については、いずれも学会での発表、および国際学術誌への投稿に向けて準備中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Quantitative Dynamic Interconversion between Ag^I-Mediated Capsule and Cage Complexes Accompanying Guest Encapsulation/Release2005

    • 著者名/発表者名
      Shuichi Hiraoka, Koji Harano, Motoo Shiro, Mitsuhiko Shionoya
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition 44・18

      ページ: 2727-2731

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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