研究課題
研究代表者谷本が平成5年にマガダン市、カムチャッカにおいて事前調査と打合わせを行なった。9月から1月にかけて大島、甲地、A.Badayevの3人の研究分担者がマガダン、カムチャッカのオツソラ、カラダ地区で現地調査を実施した。現地調査ではコリヤク族の約30名の古老からドラム・ソング、シャーマンの儀礼、語り物等を含む120分テープ60本の録音・録画資料を得た。今回の調査では、W.Johelson(1905)の録音資料の聴き合わせを調査の重点項目の一つとしており、調査の結果はコリヤク芸能の時間的変化及びチュクチ族との芸能の比較研究に有効な資料となっている。録音・録画資料は、目下研究分担者によって聴き取り、翻訳(コリヤク語→露語→英語)の作業が進行中である。伝承活動の状況の調査については、マガダンではチュクチの民族アンサンブル「Ener」、カラガではコリヤクの「Mengo」の練習から舞台公演までその活動を詳細に記録した。平成6年1月に研究分担者のA.Badayevを招へいし、コリヤクの歌の歌詞の翻訳についての検討と、デモストレーション・テープ(録画、60分)編集のための映像資料の整理を行なった。このテープは複製されて、現地及び関係研究機関に送付される予定である。すでに出版されている「チュクチの音楽」につづいて、今回の調査資料による「コリヤクの音楽」のCD・ブックスを出版すべく準備中である。このブックスには作製中の北方諸民族芸能地図の一部が掲載される予定である。
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