研究課題/領域番号 |
05041004
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大貫 良夫 東京大学, 教養学部, 教授 (00126012)
|
研究分担者 |
TOSSO Walter ペルー財団法人天野博物館, 客員研究員
CARRION Luce ペルー国立人類学考古学博物館, 調査員
井口 欣也 東京大学, 教養学部, 日本学術振興会特別研
関 雄二 東京大学, 総合研究資料館, 助手 (50163093)
加藤 泰建 埼玉大学, 教養学部, 教授 (00012518)
|
キーワード | 中央アンデス / 形成期 / 神殿遺跡 / 新大陸先史学 / ペル- / カハマルカ |
研究概要 |
クントゥル・ワシ遺跡とラ・ボンバ遺跡の発掘調査を実施し、以下の点が明らかとなった。 (1)遺跡南部地区においては、本遺跡第二時期目(クントゥル・ワシ期:B.C.700-450)の建築活動による円形半地下式広場が、第三時期目(コパ期:B.C.450-250)に完全に埋められていたことを確認した。このコパ期の建築は予想以上に保存状態がよく、今回の調査における主要な発掘対象となった。その結果、コパ期建築が非常に複雑な構造を成し、しかも数回にわたる改築を行っていることがわかった。また、地下に多くの水路が巡らされている事実も明らかになった。形成期の神殿建築遺跡における増改築は、宗教伝統に基づく儀礼的意味を有していたと考えられるが、これに関する発掘の実証的データは少ないため、重要な資料となる。一方、コパ期建築の発掘のため、当初目的としていたクントゥル・ワシ期の円形半地下式広場の発掘については、その一部分を確認したのみに終わった。これについては、平成6年度の中心課題とする。 (2)中央方形広場の西側部分を発掘し、新たに石彫を発見した。石彫は形成期の祭祀伝統において重要な意味をもっていたもので、貴重な新資料である。 (3)ヘケテペケ川流域のラ・ボンバ遺跡の発掘調査を行い、建築と十数基の墓を発見した。本遺跡は、海岸地方と山地を結ぶ要所に位置し、形成期における両地域の関係の在り方を考察するうえでの重要な資料を収集できた。
|