研究課題/領域番号 |
05041013
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
斎藤 晨二 名古屋市立大学, 教養部, 教授 (70094373)
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研究分担者 |
池田 透 北海道大学, 文学部, 助手 (50202891)
ガーラック スコット・ク アラスカ大学, 人類学部, 助教授
井上 紘一 中部大学, 国際関係学部, 教授 (10091414)
小谷 凱宣 名古屋大学, 教養部, 教授 (40111091)
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キーワード | サハ(ヤク-ト)人 / エベン人 / エベンキ人 / トナカイ飼育 / 馬牧畜 / ツンドラ / サハ共和国 / イルク-ツク州 |
研究概要 |
7月下旬〜8月中旬に研究代表者、研究分担者全員でサハ(ヤク-チア)共和国の3地区について天候による調査地を訪れる順番に変更はあったものの、ほぼ計画に沿った調査を実施した。ヤク-ツク市内の研究所、博物館、図書館における資料、文献調査を行ないつつ、まず、エベノ・ブイタンタイスキー地区においてサハ(ヤク-ト)人の牛、馬牧畜地域とエベン人のトナカイ遊牧地において夏の生業活動を調査し貴重な映像記録と資料収集ができた。とくにエベン人のトナカイ飼養は春〜秋の山地ツンドラ、冬の山麓における越冬の組み合わせによる遊牧形態は今後より詳しい調査の必要があることがわかった。これと比較するため北極圏のチェルスキー附近の低地ツンドラの調査の必要性が明らかになった。ついで、ナムスキーおよびゴールヌィの両地区においてサハ人の牧畜と伝統文化の調査を行なったが、共にロシア化と近代化が著しい都市近郊型の農牧業地区であり伝統的な習俗、技術等をより詳細に記録・収集するには本学術調査の計画とは別の計画が適当であることがわかった。なお、ゴールヌィ地区の森林地帯におけるトナカイ飼育は本来のトナカイ飼養の変容形態として興味深い調査対象であったが、森林のトナカイ飼養は本来の形態を保持しているイルク-ツク州のエベンキ人について詳しい調査を本学術調査では実施すべきことが確認された。 以上に基づき次年度は山地ツンドラの夏から冬に至るトナカイ飼育者の生業活動の追跡、これと対比すべき低地ツンドラのトナカイ飼育者ユカギ-ルの調査、森林地帯における典型的トナカイ飼育者エベンキのより詳しい調査、ヴェルホヤンスク地区を中心にヤク-トの馬飼育文化の調査を重点にしつつ、広く北方民族の伝統文化の調査と記録作成を行ないたい。
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