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1994 年度 実績報告書

シリアにおける都市文明の展開

研究課題

研究課題/領域番号 05041026
研究機関(財)古代オリエント博物館

研究代表者

脇田 重雄  古代オリエント博物館, 研究部, 研究課長 (00175069)

研究分担者 ショウキ シャアス  シリア国立アレッポ博物館, 主任研究員
岡田 保良  国士館大学, イラク古代文化研究所, 助教授 (70138171)
足立 拓朗  古代オリエント博物館, 研究部, 嘱託研究員
三宅 裕  筑波大学, 歴史人類学系, 助手 (60261749)
和田 久彦  古代オリエント博物館, 研究部, 嘱託研究員
浅野 一郎  早稲田大学, 文化財調査室, 調査員
岩崎 卓也  東京家政学院大学, 文学部, 教授 (30015383)
キーワードシリア / テル・マストウ-マ / 青銅器時代 / 鉄器時代 / 都市文明 / 都市構造 / 都市の変遷
研究概要

1.考古学調査では、テル・マストゥーマの南地区及び南斜面と中央区の一部で、前年度の5区画に加えて,新たに12区画の大規模な発掘を行った。その結果,第I--2層の町の構造をほぼ把握することができた。鉄器時代のマストゥーマの町は道路で区画された4乃至5街区で成り立っていた。そして13H区で一部検出された建物は、1街区を占めるような広がりをもつ規模であり、町の最有力者の館址の可能性が強い。町への出入口としては、市門のような明確な建造物は見当たらなかったが、南外郭区の建物が途切れた幅8mほどの通路が使われていたと考えられる。テル頂部の旧地表で最も低い地点に位置しており、小石や土器片で舗装された道路が交差する十字路となっていた。南区と中央区では4m以上の高低差が見られたが、坂道と階段状の建物が検出され同時期のものであることが判明した。南斜面の15Gc区では,鉄器時代の建物の一部と町の出入口に向かう路面が検出され,この第I層の直下は青銅器時代の文化層であることが確認された。
2.古建築学的調査では,テル・マストゥーマの第I層で色,質,大きさに違いのある4種類の日乾煉瓦が建物の壁に組み合わせて使用されているのが観察された。また複室構成の建物一般的であり、床面の高さの違いに起因する貼り合わせ壁の精査により,独立壁が建物の基本単位を数える有効な手段となった。
3.調査総括としては,膨大な数にのぼった出土土器のほかに第二年度は土製品,石製品などを中心に統計処理的処理を行った。そして現地での調査結果は,図表を含めて43頁の概要報告書に取りまとめ,シリアの考古博物館総局をはじめとする関係諸機関に提出した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 脇田重雄: "テル・マストゥーマとその周辺地域の調査" 西アジア史研究のデータベース化に関する総合的研究(第一回西アジア発掘調査報告書)クバプロ,報告集. 23-29 (1994)

  • [文献書誌] Shigeo WAKITA et al.: "Tell Mastuma-a Preliminary Report of the Excavations in Idlib,Syria,1993" Bulletin of the Ancient Orient Museum. XV. 23-46 (1994)

  • [文献書誌] Hisahiko WADA: "Pottery Vassels in the Iron AgeII in the South Area of Tell Mastuma in 1993 Season." Bulletin of the Ancient Orient Museum. XV. 47-72 (1994)

  • [文献書誌] 脇田重雄: "テル・マストゥーマとその周辺地域の調査" 西アジア史研究のデータベース化に関する総合的研究(第二回西アジア発掘調査報告書),報告集. (予定). (1995)

  • [文献書誌] Shigeo WAKITA et al.: "Tell Mastuma-a Preliminary Report of the Excavations in Idlib,Syria,1994." Bulletin of the Ancient Orient Museum. XVI(予定). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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