研究分担者 |
コンティチェロ B. ポンペイ考古監督局, 総監
坂井 聰 (財)古代学協会, 古代学研究所, 講師 (20215586)
力丸 厚 法政大学, 工学部, 講師
岩井 経男 弘前大学, 人文学部, 教授 (10113771)
横山 卓雄 同志社大学, 工学部, 教授 (10066243)
丹羽 佑一 香川大学, 教育学部, 教授 (50140471)
平田 隆一 東北大学, 教養学部, 教授 (00048779)
江谷 寛 (財)古代学協会, 古代学研究所, 教授 (90223651)
岡 道男 京都大学, 文学部, 教授 (40025052)
相川 浩 摂南大学, 工学部, 教授 (20027733)
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研究概要 |
本年度は,ポンペイの都市形成の過程を発掘調査を通じて研究するというテーマに則して,以下の内容の現地調査を遂行した。 (1)ポンペイ遺跡東北部の通称『カブア門』推定所在地周辺の発掘調査を行い,約400m^2の面積を発掘した。その結果前年度調査と合わせてこの地域における城壁を東西方向に約50mにわたって検出した。この発掘によりポンペイ城壁上の他の地点で現在までに八基確認されている塔(防御用)の一つと見られる構築物が明らかになった。しかし目的とする城門は現在までのところ確認されていない。発掘区域のほぼ全域で19世紀の掘り痕と見られる層位までの掘り下げを行った。また,層序学的検討の結果,この地区は過去少なくとも三回の発掘痕が見られることが判明した。 (2) (1)の結果に鑑み,この城門の発掘記録を再検討する必要が生じたので,文献学研究班は,ナポリ国立博物館等の研究機関において,古記録・古地図を収集し,分析した。 (3)発掘地区より出土した遺物・生物資料の調査および,遺構の層序に関する地質学的資料の採集・分析を行った。 (4)遺構の平面図を作成するために空撮写真による写真測量を行った。またその結果を遺跡全体図と連結するための測量を行い,当地区の正確な位置を割り出した。 以上の現地調査で得た資料を日本に持ち帰り,各担当者が研究を進めていった。3月下旬に,調査参加者による総括会を開き,その結果が各担当により報告された。現在これをもとに,発掘調査概報を作成中である(平成7年8月下旬刊行予定)。
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