農業の開発・発展と高度情報化に関する社会経済的国際比較研究

1993 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 05041035
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 稲本 志良 京都大学, 農学部, 教授 (80026468)
• 研究分担者: JAMES M McGr Texas A&M University. Farm&Ranch Manageme, Professor ; NICO S.P. de Agricultural Economics Research Institut, Dupty Head ; 横溝 功 岡山大学, 農学部, 助教授 (00174863) ; ELNAR Arthol Technische Universitat Munchen. Institut, Akademisch ; 永木 正和 鳥取大学, 農学部, 教授 (90003144) ; 辻井 博 京都大学, 農学部, 助教授 (60027589) ; 武部 隆 京都大学, 農学部, 助教授 (30093264) ; 佐藤 豊信 岡山大学, 農学部, 助教授 (40144737) ; 桂 瑛一 信州大学, 農学部, 教授 (70035989) ; 小田 滋晃 京都大学, 農学部, 講師 (70169308) ; 伊東 正一 鳥取大学, 農学部, 助教授 (30222425) ; 浅見 淳之 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (60184157)
• キーワード: 農業情報化 / 社会経済的国際比較研究 / 高度情報化 / 農業経営 / 情報技術 / 人的資源 / 情報ネットワーク / 開発・発展

研究概要

本研究の目的は、当該領域において先進国として位置づけされるアメリカ、オランダ、ドイツにおける農業の新たな開発と発展、農業の高度情報化の実態、今後予想される発展の方向と可能性を以下の諸点について明らかにすること、そして、これらの先進国の経験から学ぶべき点を明らかにすることである。
そこで、本年度は、10月から11月にかけてアメリカを調査対象国として海外学術調査を実施した。アメリカでは、実行計画の通り、カリフォルニア、テキサス、ミシガン、ワシントンにおいて大学、試験場、普及所、農場、行政機関、コンサル会社、ソフト開発・販売会社、出版社等を訪問して、聞き取り調査と意見交換、資料収集等を行なった。なお、カリフォルニア、テキサス、ミシガン各州での調査結果を踏まえて、ミシガン州立大学農業経済学科の主催するセミナーで研究代表者稲本が研究報告を行い、討論を行った。
以上のアメリカの調査研究によって得られた新知見は以下の通りである。(1)情報技術の進歩は、ハード、ソフト双方において極めて急速である。(2)幾つかの全国ワイドの情報ネットワークが既に整備され、有効な役割を果たしている。これと併せて、地域レベルの情報ネットワークの整備、農場・流通業者段階の情報技術の利用も進んでいる。(3)しかし、その情報技術の利用の実態は、州、作目、経営形態の間でいくつかの注目すべき相違の存在することも確認された。(4)情報技術の開発・普及・利用の過程で、私企業部門と公的部門の間でその役割と活動領域に一定の論理にたった棲み分けが成立している。(5)公的部門の情報化活動に関わる人的資源が極めて豊富であり、その活動が組織立てられている。(6)何よりも情報技術の開発・普及・利用をめぐって日米間でその背景が多様に、かつ、顕著に異なっている。この相違に注目することが国際比較研究の基礎になることを確信した。

研究成果

• [文献書誌] 稲本志良: "農業の高度情報化における公的・私的部門の役割に関する社会経済的国際比較研究" 農業経済研究. (発表予定).
• [文献書誌] 小田滋晃: "園芸農業における生産・経営管理ソフトの開発・普及に関する国際比較研究" 農業経済研究. (発表予定).
• [文献書誌] 横溝功: "畜産における生産・経営管理ソフトの開発・普及に関する国際比較研究" 農業経済研究. (発表予定).
• [文献書誌] 稲本志良: "農業の高度情報化がもたらす社会経済的影響に関する国際比較研究" 農林業問題研究. (発表予定).
• [文献書誌] 辻井博: "農業の高度情報化政策に関する国際比較研究" 農業経済研究. (発表予定).
• [文献書誌] 武部隆: "農地利用と高度情報化に関する国際比較研究" 農業経済研究. (発表予定).