研究課題
本研究は、タイ小農部門の商業化の実態と問題点を調査し、農業生態系を踏まえた新しい農法の確立方向を探究する目的で3カ年計画で実施しているものである。平成5年度には、東北部、北部および中部の3地域から合計6つの村落を選出し300戸の農家質問票調査を実施した。本年度は、東京農業大学で質問票データをコンピュータに入力し、各メンバーにデータを配布するとともに、3地域のうち北部と中部の4調査村において補足農家調査を実施した。9月10日からメンバー6人が参加して現地調査を実施した。この期間中に、コンピュータ入力済みデータにタイ側の協力大学(カセサート、コンケン、チェンマイの3大学)に配布し、解説とともデータの解釈に関する協議を行った。また、チャンマイ県およびノンタブリ県の合計4つの調査村で補足インタビュー調査を実施し、各メンバーが分担課題に関して実態と問題点の理解を深化させた。本年度後半から、各メンバーは個別農家データの加工・分析作業を行っている。1月中旬に拠点大学共同研究のタイ側メンバー5名が来日した際、東京で調査データの解釈および報告書作成に関する研究会を開催し、メンバー全員で協議した。また、分析の中間結果の報告を行い意見交換をしたので、共同研究者全員が共通の認識を持つことができた。データの分析作業は現在も継続実施中である。平成7年度においては、3カ所の調査地のうちコンケン県で補足インタビュー調査を実施するとともに、各メンバーが分析結果のとりまとめを行う計画である。研究代表者の責任において、各メンバーの研究成果を全体として報告書にとりまとめる。