| 研究分担者 |
IBRAHIM bin マレーシア地質調査所, 地質部, 技官
KHOO Han Pen マレーシア地質調査所, 地質部, 主任技官
NIKORN Nakor タイ鉱山局地質調査所, 地質部, 部長
上野 勝美 筑波大学, 地球科学系, 助手 (90241786)
安達 修子 筑波大学, 地球科学系, 助手 (80182997)
指田 勝男 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (60134201)
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| 研究概要 |
当該年度は予定通りタイ国,マレーシア国,シンガポール国で野外調査を行い,多くの古生物学的資料を採集し層序等を検討した。採集品の室内研究は進行中であるが,現在までに判明した主な点は下記の通りである。
タイ国北西部:Fang Chert層中に放散虫化石からペルム紀/三畳紀の境界が見いだされ,詳細な微古生物学的ならびに同位体地質学的な研究が鋭意行われている。これは東南アジア地域で始めて確認された遠洋性堆積岩中での境界である。また石炭紀中部・上部のフズリナ化石帯を含むセクションが新たに確認された。これはRaburi Limestoneの堆積年代についての新資料となる。
タイ国中部ペッチャブン地域:保存良好なフズリナ化石や珊瑚化石が古カルスト堆積相を示す石灰岩層に見いだされ,上部石炭系と下部ペルム系に関する多くの古生物学的な情報が得られる見通しである。
タイ国半島南部:三畳系の石灰岩層中の化石内容が明確になると共に,ペルム系との境界問題が解決できるとみられる多くの古生物学的資料が得られた。また三畳系上部にみられる礁性石灰岩の化石内容は古生物地理的に新資料で注目される。
マレーシア国ランカイ島:中部古生界に関する多くの微化石資料が収集されている。また石炭系下部層からも新たに多くの微化石資料が追加された。
マレーシア国北西部:地域を広範囲に調査し,Semanggol FormationとChupingならびにKodiang Lime-stoneを主な研究対象とし,放散虫,有孔虫,珊瑚,軟体動物化石などの資料が収集された。特にチャート層からのペルム紀放散虫の発見は新事実で,地史学的な意義は大きい。
シンガポール国:かって露出していた三畳系は工業団地造成のため,多くは失われていた。しかし土木局の好意で,ボーリングから得られた地下のジュラ系の古生物学的な資料の提供を受けて研究が進められる。
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