研究課題/領域番号 |
05041059
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河野 長 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20011596)
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研究分担者 |
LEO Kristjan アイスランド大学, 理学部, 助教授
牧嶋 昭夫 岡山大学, 地球内部研究センター, 助手 (70219301)
田中 秀文 東京工業大学, 理学部, 助手 (80108191)
小屋口 剛博 東京大学, 地震研究所, 助教授 (80178384)
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キーワード | アイスランド / 台地玄武岩 / クラフラ火山 / ヘクラ火山 / 古地磁気層序 / 古地磁気永年変化 / K-Ar年代 / 古地磁気極 |
研究概要 |
平成5年7月1日から7月26日にかけてアイスランドでの現地調査を実施した。アクレイリ町東の鮮新世台地玄武岩の連続溶岩層序を2セクション(LT、SI)で火山層序の調査およびポ-タブルドリルによる試料採取を実施した。その後エギルススタディール町西南の鮮新世台地玄武岩を1セクション(MA)にて同様に調査した。最後にクラフラ火山やヘクラ火山にて単成火山の調査および試料採取を実施した。アイスランド側研究分坦者クリスチャンソンとの事前連絡を十分行っていたため、現地調査はたいへんスムーズに実施できた。合地玄武岩についてはアイスランド大の地質学科学生を調査補助に雇い、火山地質層序の詳細を短期間に解明できた。また小型スピナ-磁力計を日本から持ち込み、消磁はアイスランド大の装置で行い、現地にて各溶岩で一つの試料については古地磁気方向を決定した。この古地磁気方向を決定した。この古地磁気の現地測定は重要と判断される溶岩の再調査をすぐに可能にした。 火山岩試料は手荷物として持ち帰り、古地磁気用試料は東工大にて、他は岡山大にて保存してある。古地磁気方向の測定に関しては、LT、SIの両セクションについてほぼ終了した。地磁気永年変化の程度を示す角度分散は約20度で世界的傾向に基づくモデルと一致した。また全平均の古地磁気極は地理極と一致するという仮定から溶岩の形成後の傾動を見積もったところ、現地での観察と同じ傾向ではあるがより小さな傾動値の約5度であることがわかった。また3KM離れたLT、SIの溶岩層のうち時代的に共通の部分については、地磁気の極性でみれば同じ結果であるが、個々の溶岩の古地磁気方向からみればかなり異なることがわかった。これはまったく同時に同じ溶岩が噴出することはないという噴火様式を示唆する。 溶岩のK-Ar年代決定や地球化学測定については薄片試料の顕微鏡観察を着手したところである。
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