高齢者用生活・生命支援機器開発に関する国際学術調査

1994 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 05041072
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 土肥 健純 東京大学, 工学部, 教授 (40130299)
• 研究分担者: FOULDS Richa Applied Sci. and Eng. Lab., A. I. dupont Inst, 教授 ; JOLESZ Feren Dep. of Radiology, Bringham and Women's Ho, 助教授 ; ESA HEIKKINE Dep. of Neurosurgery, Oulu Univ., 教授 ; OIVIND LOREN Division for Human Eng., Centre for Indus, 部長 ; ILKKA SAARNI Nordic Dev. Cent. for Rehab. Eng., 所長 ; NIILO SARANU Tech. Res. Cent. of Finland, 所長 ; 伊関 洋 東京女子医科大学, 脳神経外科, 助手 ; 張 済川 北京清華大学, 工学部, 教授 ; ROBB Richand Dept. of Physiol. &. Biophysics, Mayo clinic, 教授 ; 関口 行雄 職業能力開発大学校, 福祉工学科, 教授 ; 福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877) ; 辻 隆之 国立循環器病センター, 研究所, 部長 (00075764) ; 堀内 孝 東亜大学, 大学院・総合学術研究科, 教授 (10201758) ; 矢野 英雄 国立身体障害者リハセンター, 研究所, 部長 ; 木村 哲彦 国立身体障害者リハセンター, 病院, 副院長 ; 鈴木 真 東京大学, 工学部, 助手 (50260500) ; 太田 裕治 東洋大学, 工学部, 助教授 (50203807) ; 松本 博志 東京大学, 工学部, 教授 (40010277) ; 斉藤 正男 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60010708)
• キーワード: 高齢社会 / 生命支援 / 生活支援 / 医療機器 / 福祉機器 / 国際共同研究

研究概要

本研究では海外の研究者らと共に世界的な高齢者支援技術の現状について調査を行うことで、海外における高齢者支援技術の我が国への導入、海外との比較による我が国の高齢者支援の特殊性の検討、我が国の先端科学技術による具体的な福祉機器開発等について研究を行う。
本年度は米国、オーストラリア、オランダ、ブラジルにおいて高齢者の生活・生命支援の現状について調査を行った。その結果、生活支援のための研究開発については特に福祉ロボットに重点がおかれており、国際共同研究において我が国に対する期待が大きいことが明らかとなった。但し、安全性に対する考え方が我が国と欧米では大きく異なり、欧米ではインフォームド・コンセントが重視され、事故時の責任についてはかなりの程度までユーザ本人に委ねられている。また生命支援においては、現状では人工臓器等の生体機能代行・補助技術に代わり、コンピュータや医用画像、医療ロボットによる低侵襲治療の実現が中心的な研究テーマとなってきていることが明らかとなった。
中国については昨年度の調査結果から在宅において生活している高齢者の健康維持や福祉の実情について情報を収集する必要が生じ、本年度も再び調査を行った。
また米国、英国、フランスより研究者を招へいし、高齢者のための生命支援技術に関する国際的な研究現状について情報交換を行い、今後の国際共同研究の在り方を検討した。その結果、医用画像やコンピュータ技術による低侵襲治療に関する研究が重要であり、我が国に対してはロボット技術の応用に関して期待が大きく、医用ロボット、特に手術支援ロボットの研究開発は我が国が最も国際的に貢献できる部分であることが明らかとなった。