研究分担者 |
THIN N.N. ハノイ大学 (ベトナム), 教授
SVENGSUKSA B ドンドク大学 (ラオス), 副学長
PHENGKHLAI C タイ王立森林局, 教授
VIDAL J.E. パリ自然史博物館, 名誉館員
村上 哲明 東京大学, 理学部, 助手 (60192770)
福岡 誠行 頌栄短期大学, 教授 (90071430)
小山 博滋 国立科学博物館, 植物研究部, 室長 (90000132)
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研究概要 |
今年度は、8月にVidal,Svengsuksa,Thinの3氏を招へいし、インドシナにおける現地調査の打ち合わせを行なった。これにより、現地の詳細な状況を把握することができた。その上で、岩槻,村上,横山(研究協力者)がThinと協力してベトナムで、岩槻,小山,福岡,村上,横山,PhengkhlaiがSvengsuksaと協力してラオスで、そして小山,福岡,村上,横山がPhengkhlaiの協力のもとでタイでの植物相の調査を行なった。ベトナムでは、ハノイ周辺(200Km以内)の3ケ所、クックフォン,タムダオ,バビの3ヶ所でシダ植物およびイチジク植物を中心に標本ならびに研究材料の採集をおこなった。これまで継続的な調査を行なってきた中国西南部との植物相の密接な関係を示唆するミドリラハオモトキ,タイワンホウビシダなどを採集することができた。来年度は、北部のチャパで調査を行ない、中国西南部のものとのさらに詳細な比較をする予定である。ラオスについては、今年度はビエンチャン周辺の乾燥低地しか調査することができなかったので、それ程多くの標本は得られなかった。しかし、ゼンマイ属やコケシノブ科のシダ植物などでインドシナ新産の標本を得ることができた。さらに、ラオス林野庁の長官などとも面談し、来年度からの調査計画についても話し合う機会を得た。来年度は、植物相のより豊かな高山あるいは北部の中国国境付近でも調査ができることを期待している。最後にタイでは、南部のナラチワ,トラン周辺,北部のチェンマイ,ドイインタノン山付近で調査を行なった。南部ではマレーシア,インドネシアの植物相と関連の深いものが、北部では中国西南部との関連深いものを多数採集することができた。今後、分子系統学的手法を駆使して、近隣地域の近縁植物種との比較を行ない、これらの間の進化学的つながりも解明していきたいと考えている。
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