研究課題/領域番号 |
05041097
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
荻野 和彦 愛媛大学, 農学部, 教授 (90026394)
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研究分担者 |
サンガ サパシイ タイ国研究会議, 議長
ソムサック スクウォン タイ国社会林業研修センター, 所長
ホァン グェン ホン ベトナムハノイ師範大学, 教授
日鷹 一雅 愛媛大学, 農学部, 助手 (00222240)
二宮 生夫 愛媛大学, 農学部, 助教授 (80172732)
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キーワード | 社会生態系 / 社会林業 / 持続的農業 / 人工生態系 / 生態系自然度 / 生物資源 / 熱帯林修復 / 生物多様性 |
研究概要 |
本年度はタイとベトナムにおいて伝統的な資源利用技術に関する調査を継続するとともに、タイにおいては伝統的な資源利用技術が生態系にどのような影響をあたえているのかを明らかにする目的で、人為的な自然林、本来の自然林、人工林のそれぞれの生態系で生物多様性と健全性に関する調査に着手した。 タイにおける調査では、前年度に設定したWuibul農樹園の調査区の他に、TAH TAKIAP野生保護区内の成熟した天然林と二次林、ユ-カリとアカシアの人工林、キャッサバ畑およびマンゴ-果樹園に調査区を設定し、人為的に造成した疑似自然林と本来の自然林および人工林の各生態系の比較を行った。各調査地では30m×30mの方形区を1〜4個設定し、樹種、胸高直径、樹高の毎木調査をおこない、樹冠投影図、樹冠断面図を作成した。また各調査方形区で、土壌表層部の節足動物相および土壌の理化学性の調査をおこなった。調査結果をもとに、各生態系の林分構造、種組成、土壌動物相、土壌特性などの各項目について比較検討をおこない、生態系の多様度、自然度を尺度として、Wuibul農樹園でおこなわれている社会林業の生態的な有効性を解析中である。 TAH TAKIAP野生生物保護区周辺の移住村においては、前年度からおこなわれている社会林業の調査を継続し、持続的な農業生態系の可能性を追求した。 ベトナムの調査においては、伝統的な資源利用をおこなっている地域の現地調査をおこない、人々の生業のための管理をともなう「社会生態系」における持続的な生物資源利用技術を評価した。 タイ、ベトナムからそれぞれ研究分担者を招聘し、現地でえられたデータを共同で解析するとともに、東南アジア地域における伝統的な生物資源利用技術の破壊された生態系修復への適用の可能性と有効性について検討をおこなった。
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