研究分担者 |
銭 之広 中国上海自然博物館植物研究部, 副部長
王 立松 中国科学院昆明植物研究所, 研究員
〓 仲苓 中国上海自然博物館植物研究部, 部長
〓 培貴 中国科学院昆明植物研究所, 助教授
臧 穆 中国科学院昆明植物研究所, 教授
前川 二太郎 (財)日本きのこセンター, 菌蕈研究所, 室長 (00142638)
近田 文弘 静岡大学, 理学部, 助教授 (60021945)
津田 盛也 京都大学, 農学部, 助教授 (10026578)
門田 裕一 国立科学博物館, 植物研究部, 主任研究官 (30124184)
田中 次郎 国立科学博物館, 植物研究部, 主任研究官 (30167499)
柏谷 博之 国立科学博物館, 植物研究部, 室長 (10000142)
中池 敏之 国立科学博物館, 植物研究部, 主任研究官 (20000135)
小山 博滋 国立科学博物館, 植物研究部, 室長 (90000132)
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研究概要 |
1993年に中国調査地域で採集した種子植物約2,500点,シダ植物約1,200点,菌類(植物病害菌を含む)約1,500点は,1994年2月に中国から科博に到着した。これらの標本を中心に研究を開始している。 1.菌類.培養を必要とする資料標本は中国側共同研究者を日本に招へいしたときに持参して貰い,すでに分離培養を完了している。これらの中には、雲南省産ツノタケ属の新種をはじめ,相当数の新種が含まれている見込でこれからトリコデルマ時代の特徴やDNA分析による分類・系統学的研究を進める。 また、作物病害菌の中には,イネ科植物のゴマハガレ病菌やバッカク菌が含まれ,これらの培養を用いてDNA分析による分類・系統学的研究を進めている。菌類については,日本と共通する種が中国東部に多く,武夷山地では近縁ではあるが別種に分化したもの,さらに雲南省では日本とは直接関連づけられない多様な種が,当初からの予想どおり確認され,その実体が明らかにできそうである。また、ブナ科の原始的な属のカクシガシ群の雲南から東南アジアを経て南米コロンビアに分布し、テネシー州から化石が報告されている分布型に対応するクチベニタケ属の一種の分布が確認され、北米アパラチア山脈にみられるアジア要素の分布経路に関する従来とは別の考え方が成立つ可能性がでてきた。 2.シダ類.雲南にはヒマラヤ地域と共通種が多く,本年度は中国特産種は殆ど採集できなかった。 3.種子植物.今回の調査による採集品に従来の資料を加え,ガガイモ科,ヒメハギ科,キク科などの再検討を開始した。 また、中国の共同研究者〓培貴助教授(菌類),〓仲苓部長(蘚苔類)を科博に招へいし,共同研究・討議を行った。
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