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1993 年度 実績報告書

高所住民の発達と老化に関する生理学的研究-環境適応とライフコース-

研究課題

研究課題/領域番号 05041112
研究機関近畿大学

研究代表者

堀 了平  近畿大学, 薬学総合研究所, 教授 (40001036)

研究分担者 上野 吉一  京都大学, 霊長類研究所, 学振特別研究員
李 泰清  新彊中医学院, 教授
高井 正成  京都大学, 霊長類研究所, 助手 (90252535)
池上 哲司  大谷大学, 文学部哲学科, 教授
成瀬 哲生  山梨大学, 教育学部, 教授 (20142664)
辻本 雅史  甲南女子大学, 人間関係学科, 教授
米本 昌平  三菱化成生命科学研究所, 室長
古川 彰  中京大学, 社会学部, 助教授
松林 公蔵  高知医科大学, 医学部, 講師 (70190494)
松沢 哲郎  京都大学, 霊長類研究所, 教授 (60111986)
戸部 隆吉  国立京都病院, 病院長 (70025641)
キーワード高所住民 / 長寿 / ライフコース
研究概要

1.ヒマラヤ山脈という大きな地理的障壁を挟んで、世界の長寿村として知られている2地域(パキスタンのフンザ地域と中国の新彊ウイグル自治区)において、高所住民の形質人類学的調査および人文学的・社会学的調査をおこなった。形質人類学的調査としては、歯科検診を通して住民の健康の程度について考察をおこない、長寿村の実態を調査した。その結果、付近の幹線道路の完成により流入した「文明」により、住民の歯科的な意味での健康度は急激に低下していることがわかった。また人文学・社会学的な立場から、各種の教育機関の訪問と各戸訪問により聞き取り調査をおこない、教育事情・食生活・生活習慣・自然・文化的環境などの変化について調査した。その結果、歯科的検診の結果と同様に幹線道路の開通により、急激な文明化がおこなわれ、「長寿村」としての環境が様々な面で変化しつつあることがわかった。そして、人々の小児期から老年期にいたるライフコースの中で、生活習慣・自然・文化的環境の変化は健康面に大きな変化を投げかけていることが明らかにされた。またヒマラヤ山脈の南と北で、両長寿地域の「長寿」の実態がどの程度共通していてどのように違っているかを、おもに文化人類学的見地から比較検討した。
2.高所住民の比較人類学的調査の一環として、南米アンデス地域の比較的文明化されていないインディオを対象に、主に匂いの知覚についての調査をおこなった。具体的には、ボリビアの4000メートルの高地に住むアイマラ族と、3000メートル付近に住むケチュア族を選び、様々な匂いを自主的に分類させることにより、両族の文化的な違いを明らかにした。また、これまでにおこなったネパール・モンゴル・フンザ地域の高所住民の調査の結果と比較し、高所環境での文化の比較検討をおこなった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 辻本雅史: "フンザの教育事情と子供たち" ヒマラヤ学誌. (発表予定).

  • [文献書誌] 松野昌展・高井正成: "パキスタン・フンザにおける歯科的調査" ヒマラヤ学誌. (発表予定).

  • [文献書誌] 上野吉一: "南米インディオの匂いの知覚:ケチュア族とアイマラ族の場合" ヒマラヤ学誌. (発表予定).

  • [文献書誌] 古川彰: "アンデスの村の援助と水問題-高所住民の環境認識ノート(4)-" ヒマラヤ学誌. 4. 76-81 (1993)

  • [文献書誌] 高井正成: "アンデス山中における化石発掘調査と調査地の現状について-最古の広鼻猿類化石の再発見-" ヒマラヤ学誌. 4. 69-75 (1993)

  • [文献書誌] 松林公蔵,瀬戸嗣郎,堀了平,戸部隆吉: "ヒマラヤ低酸素と人体の適応" 学術月報. 47. 116-121 (1994)

  • [文献書誌] 松林公蔵 他: "アンデスを越えて" 高知新聞社(仮題・発表予定),

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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