研究課題/領域番号 |
05044005
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高津 斌彰 新潟大学, 教養部, 教授 (10018583)
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研究分担者 |
KASHIMA Tets ワシントン大学, 文理学部, 準教授
HODGE David ワシントン大学, エスニック研究学部, 準教授
杉浦 直 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (50004495)
村上 雅康 関西大学, 文学部, 教授 (20015829)
実 清隆 奈良大学, 文学部, 教授 (70001229)
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キーワード | アジア系企業 / 直接投資 / 労働力市場 / ローカルコンテント / 派遣人事 / コミュニティ / エスニック企業 / フィランソロフィー |
研究概要 |
北米西海岸に於ける日系及びアジア系資本の直接投資とその労働力市場についての1993年度調査によって、膨大な資料と多くの関係者、対象企業の聞き取り結果を得た。未だ十分な整理はできていないが、1994年5月の東北地理学会にて3本の論文発表を行ないその成果を東北地理に投稿するほか、目下個別に別記のごとく僅かではあるが中間的まとめの紹介をしている。とくにワシントン州の日系企業のみについて纏めれば、進出企業は202社であり、州内外資系企業の38%にのぼり第一位を占める。業態は製造業19%、販売・流通28%、サービス業が53%と過半数となる。労働力としては118社9,199人のうち、現地採用米国人が83%と確かに主体であるが、非米国人が17%を占める。これは他国資本の、香港系(7社520人)の3.0%、カナダ0.5%、英国の0.1%、ドイツの0.1%、などと比較すると著しく高い特色を持つ。日本からの派遣人事の卓越することを示し、企業と労働力構成が地域貢献、コミュニティとの交流、メセナ、フィランソロフィーのあり方に微妙に影響する。地域貢献の形態は各種様々であり、中には任天堂のマリナ-ズ買収も一つの効果的な形であること理解させられる。とくにローカルコンテントの問題とNAFTAの発効の影響の問題は企業によって様々ではあるが、大きな影響はないとするのが2分の1近くを占めている。労働力調達については米国の労働組織、労働慣習、雇用規則によって異なる。日系企業及びアジア系企業にはかなりの負担になっている場合と、現地米人に労務管理職を任せてクリア-している企業等実に興味深い結果が得られている。そのほか西海岸進出の実態、米国経済の状況とそれへの対応、投資環境、企業進出動機、労働力調達形態、労務管理実態と課題、租税制度の適否、NAFTAの影響、フィランソロフィーの形態と課題、香港及び韓国、中国系企業の実態、エスニック企業の概念成立の適否等について纏めている最中である。
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