研究概要 |
世界自動車産業の中にみられた生産システム革新の潮流の中でリーン生産システムの移転や相互学習が進んでいる。自動化問題の焦点となっている最終組立ラインについてもハードの自動化の進展だけでなく工程と現場におけるあらゆる状況に応じた対応が可能な技能ソフトの蓄積が求められ,調査を進めている各国の自動車組立ラインでもこの問題に対するアプローチをどのような形で進めるかが大きな問題となっている。とくに自動化率を向上させ自動化投資を増強した場合でも,しばしば発生する現場の異常事態をどのように未然に防ぎかつ迅速に対応するかについて,それを検知する情報機器端末と情報LANなどを整えるだけでなく,異常をどのようなデータで把握するか,TPMによる予防保全能力など現場の知能工的機能をどう育てるか,現場ワーカーのDJT主体でこれを考えるか,それとも新しいタイプの生産エンジニア中心で考えるかで対応は各国によっても自動車メーカーごとに違いがある。日本でも工場の自動化投資は一巡し,ハード面の充実からこのソフト面の充実に焦点は移りつつある。このソフト面の充実についても現場の知能工的技能だけでなく,開発設計段階にさか上った自動化対応なども大きな関心事となりつつある。このような動向は各国,各社ごとに一定の傾向と特色が見受けられ,これらの特徴的がある程度今年度の各種調査と海外との情報交流で明らかになった。
|