研究分担者 |
COFFIN Milar U. of Texas at Austin, Inst. for Geophysics, 研究員
SHIPLEY Thom U. of Texas at Austin, Inst. for Geophysics, 上級研究員
MANN Paul U. of Texas at Austin, Inst. for Geophysics, 研究員
篠原 雅尚 千葉大学, 理学部, 助教授 (90242172)
平 朝彦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50112272)
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研究概要 |
本研究は,現在の地球では特異であるが地球史の中では繰り返されてきた,海台の沈み込みならびに沈み込み開始線のジャンプ・逆転の起きているソロモン島弧海溝系において,地殻深部・最上部マントルの地震・地質構造を精密に調査することを目的としている。ソロモン海域ではオントンジャワ海台が北ソロモン海溝に衝突しており対応する島弧の逆側ではサンクリストバル海溝からインドオーストラリアプレートが沈み込み始めている,ように見える。本研究のような試みは初めてであり,日本の海底地震計技術と米国の反射法探査技術を有機的に結びつけて行うことがポイントである。実験は,すでにNSFに採択されている調査船利用の反射法実験の実施に合わせるが,米国側の調査船のスケジュールが平成7年度以降にずれこむ可能性が大きく,当初の計画は変更を余儀なくされている。実際に平成7年度に航海が延びる場合は,再申請する。 今年度は本実験へ向けての準備として,インドオーストラリアプレートの現地調査,米国側共同研究者との実験打ち合わせ(米国で2回),そして海底地震計の改良・整備を実行した。海底地震計は,デジタル化により記録信号の忠実度は飛躍的に向上したが,信頼性にいまひとつの不安があった。この点につき,その原因をつきとめ改良し,レコーダーを一台あらたに整備した。また,過去にすでに現地調査を行っている共同研究者と研究対象域のテクトニクスの調査も行った。その結果,南側で開始されているという沈み込みに伴う自然地震活動の実態を把握することが重要との認識にたち,精度が足りない既存データを補うため,現場観測を6年度に実行することにした。この観測は,本実験より小規模であるが,海底地震計を約5台用いて,あたらしく沈み込みがはじまる際に見られる特徴を調べることにした。日本海東縁に始まっているといわれる沈み込みとの対比も興味深い。
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