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1993 年度 実績報告書

海洋における温室効果気体の形成・除去の実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05044049
研究機関名古屋大学

研究代表者

半田 暢彦  名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (00022559)

研究分担者 唐 森銘  中国国家海洋局, 第三海洋研究所, 研究員
PARSONS T.R.  ブリティッシュ, コロンビア大学, 教授
WONG C.S.  カナダ海洋科学研究所, 研究部長
小池 勳夫  東京大学, 海洋研究所, 教授 (30107453)
工藤 栄  国立極地研究所, 助手 (40221931)
高橋 正征  東京大学, 理学部, 助教授 (50111357)
中塚 武  名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助手 (60242880)
濱 健夫  名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助手 (30156385)
松本 英二  名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (30199864)
キーワード温室効果気体 / 中規模閉鎖系実験 / メタン / 二酸化炭素 / 一酸化二窒素 / 硫化ジメチル / 植物プランクトン / 栄養塩
研究概要

カナダ環境庁海洋研究所に隣接したパトリシア湾に実験水域を設け、中規模閉鎖系を設置し、硝酸イオン、リン酸イオン、ケイ酸塩を添加後、平成5年7-8月の25日間わたり植物プランクトンの生長と、それに伴なって発生するメタン、一酸化二窒素等の温室効果気体及び硫化ジメチルを連続的に測定した。そして、以下の結果を得た。
1)実験開始と共に、植物プランクトンの現存量が増加し、数日にして極大に達し、それ以降は時間の経過と共に減少し、10日以降は大きな変動もなく一定の値に落ちついた。その間、栄養塩は顕著に減少し、5日以降硝酸イオンはほとんど検出出来なかった。これに対して、リン酸イオン及びケイ酸イオンは未だ十分に存在していた。
2)植物プランクトンは、主としてプラシノ藻、ケイ藻、渦鞭毛藻からなり、実験期間中大きく変動した。ケイ藻は、実験開始直後優占種となっていたが、時間と共に植物プランクトン種の遷移が起こり、実験開始後8日では、渦鞭毛藻が優先しとなり、実験の最終期にはプラシノ藻が優先していた。
3)閉鎖系内における、温室効果気体発生量の時間的変動は顕著であった。特に、ケイ藻を有占種とする実験開始直後は、メタンの発生が顕著であった。また、硫化ジメチルの発生は、渦鞭毛藻の現存量の多い実験中期にその発生量の極大値が測定された。これらの結果は、これらの気体の発生には、それぞれの植物プランクトンの生長(光合成過程)が強く関わっているものと推定される。4)海洋・湖沼におけるメタンの発生は、嫌気性バクテリアによるのが普通である。本研究で見出されたメタン発生は植物プランクトンの光合成に伴うもので、全く新しい過程である。この過程の詳細を、次年度検討する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Handa,N.et al.: "Vertical Fluxes of Organic Materials in the Northern North West Pacific and Breid Bay,Antarctica,with Special Reference in the Effect of PhytoplanktonBloom" Deep Ocean Circulation,Physical and Chemical Aspects. 221-233 (1993)

  • [文献書誌] Ishiwatari,R.et al.: "Organic Composition of Sinking particles (JT-01) in Japan Trench as Revealed by Pyrolysis Gas Chromatography/Mass Spectrometry" Deep Ocean Circulation,Physical and Chemical Aspects. 235-252 (1993)

  • [文献書誌] Fukuchi,M.et al.: "Temporal Variability of Particulate Flux in the Northern Bering Sea" Continental Shelf Research. 13. 693-704 (1993)

  • [文献書誌] Hama,T.et al.: "^<13>C Tracer Methodology in Microbial Ecology with Special Reference to Primary Production Processes in Aquatic Environments" Advances in Microbial Ecology. 13. 39-83 (1993)

  • [文献書誌] 半田 暢彦: "海も汚れていく「一億人の化学-どうする地球環境」" 大日本図書(日本化学会編), 216 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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