研究課題/領域番号 |
05044075
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
橋本 功二 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (70005859)
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研究分担者 |
CZACHOR M.J. ポーランド科学アカデミー物理化学研究所, 室長
WROWEC S. ポーランドクラクフ工科大学, 材料科学研究所, 教授
秋山 英二 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70231834)
幅崎 浩樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50208568)
川嶋 朝日 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50005964)
浅見 勝彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20005929)
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キーワード | アモルファス合金 / 高温硫化 / 高温酸化 / Al-Mo合金 / Al-Nb合金 |
研究概要 |
平成5年度にはポーランド側から2名招へいし、日本側から1名ポーランドを訪ね、アモルファスAl-MoおよびAl-Nb合金の耐高温硫化性および耐高温酸化性についての双方の調査結果の情報交換および討論を行い、今後の研究計画を決めた。アモルファスAl-MoおよびAl-Nb合金の10^3Paの硫黄蒸気中の硫化は放物線則に従い、その耐高温硫化性はそれぞれモリブデンおよびニオブ単体より高く、これまで知られている金属材料の中で最も高いことが判明した。Al-Mo合金においてはAl_2S_3およびMoS_2から成るスケールが、Al-Nb合金ではNbS_2,Al_2S_3から成るスケールが生じる。このような高い耐高温硫化性を示す理由は、スケール内層の主体であるMoS_2やNbS_2へのアルミニウムのド-ピング効果によるものと考えられる。実際、モリブデンへ少量のアルミニウムを添加した場合、その添加量に応じて硫化速度が低下することから、このことが支持される。またAl-Mo合金は、耐酸化性がアルミナスケールを生じる合金には及ばないものの、クロミアスケールを生じる耐酸化性合金と同程度の酸化速度を示し、優れた耐酸化性を備えた合金であることがわかった。Al-Nb合金も耐酸化性はニオブ単体より優れているが、実用耐酸化性合金には及ばなかった。Al-Mo合金にケイ素を添加すると耐酸化性はさらに改善された。これは耐酸化性に優れたMo_5Si_3が生成するため、これによりモリブデンの酸化が抑制されたものと考えられる。今後、アモルファスAl-Mo-(Si,Ti),Al-Nb-(Si,Ti),Al-Ta合金を作製し、それらの高温硫化および高温酸化挙動を調べる予定である。
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