研究課題
本研究では数百億、数十億、数ギガの粒子とグリッドデータ即ちフィールドデータを扱うことを目的としている。粒子とグリッドデータ間通信を最小に押さえるため、粒子のソ-ト法を新たに考え出し計算の局所性を高めた。次ぎに、粒子のFlux Splitting法を考え出し、粒子・グリッドデータ通信を最適にした。平成6年度では、フィールドソルバー、粒子プッシュなどの基本アルゴリズムをインプリメントする予定であったが、データを各プロセッサーで局所的に処理をするためのソ-ト法、Flux Splitting法で手間取ったが、当初よりより並列性の強いプログラムができ上がりつつあり、現在256プロセッサーのCM-5を使い6億個の粒子を扱うシミュレーションが可能となった。これにより、簡単な太陽風と地球の磁気圏の干渉シミュレーションが可能となり、地球と太陽磁場のつなぎ替え問題即ちコネクション問題を扱うことが可能となった。今後、扱える粒子の数を60-600億へと増やして行き、統計的なノイズを減らしより現実的な問題を扱えるようにし、リコネクション問題を位相学的に扱えるようなモデルにしていきたい。基本的なアプローチとしてはデータパラレル型アルゴリズムとタスクを並列化するメッセージパッシング法が考えられる。この場合、粒子の数が膨大な本シミュレーションでは、アルゴリズムのスケーラビリティー等の面からデータパラレル型がベストであることが判明した。研究方法としては、更に類似の計算機で試して行きたい。現在、並列計算機、並列アルゴリズムの研究は百花争乱の感があり、どのモデル、どのアルゴリズム、どのパラダイムをとるかによって問題が大きく変わってきおり、我々の開発したモデルを使い今後いろいろ試して行きたい。
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