研究課題
日。米両国の専門家6名の共同研究として、アモルファスシリコン薄膜の高安定化技術のための研究指針を探るための基礎研究を実施した。本研究では、製膜技術、構造形成機構、欠陥評価、デバイス評価と異なる観点から、この問題に取り組む研究グループ間の研究者の交流、および共同研究をすすめることにより、この課題解決の指針を求めることを目指した。C.Fortmann博士は東工大総合理工グループに1ケ月以上の期間加わり、新規な製膜技術の開発研究に従事し、塩素化シランを原料とする高安定、高品質a-Si:H膜作製の実現に、その構造解析、特性評価、解析に協力することで深く貢献した。また、松田彰久博士グループでは、アモルファスシリコンの欠陥形成機構に関するモデルを提案し、それをもとに高品質薄膜作製指針を確立した。この製膜指針に従い作製された高品質アモルファスシリコン膜の光安定性の評価、及びその解析法に関しては、S.Wagner教授グループでの解析法を用いられ、欠陥形成機構の予測まで行うことができた。これと平行して、半那純一教授グループで進めている網目構造形成化学反応の検討により、その内容が徐徐にではあるが理解が深まりつつある。とくに、分光エリプソメトリによる膜構造形成過程のその場観測とシミュレーションによる構造解析法はC.Wronski教授を中心とするペンシルバニア州立大グループ、東工大グループがそれぞれ独立に、その応用を検討しており、この共同研究を機会に情報の交換と解析法の検討を共同で進めている。平成5年11月に開催した研究報告会には、この共同研究メンバー全員が参加し、これまでの成果を中心に意見交換と、試料交換による評価技術の確立を確認した。
すべて その他
すべて 文献書誌 (4件)