研究課題
本年度はタイ国チュラロンコン大学マ-ナ氏が来日し、水中NH_3、H_2Sガス検出用センサの検討から研究をスタートさせた。その結果、半導体ガスセンサとしてPt-SnO_2、CuO-SnO_2系が各々のガスを検出するに適当であり、それらをタイ国で試作すると同時に、別途、市販されている半導体ガスセンサと電気化学電極式ガスセンサを購入し、水中の検出を行うシステムを製作することにした。マ-ナ氏は帰国後検出システムを作り、試料液を注入・加熱・蒸発させキャリアガスフローで半導体ガスセンサ表面に送る方式により、水中濃度1%のアルコール、アルデヒド、アンモニアにより100%近い抵抗変化を観測した。3種のガスセンサのパターンを解析することにより、上記3種のガスを識別しながら100ppm程度の検出感度が得られることを確めた。今後、H_2S検出用電気化学電極もこのシステムに組み込み、NH3、H2Sガスの検出系を完成し、これらのガスの選択性の確認、測定アルゴリズムの整備、感度改善のために隔膜をセンサ表面に設けたセルの改善、等が課題である。日本側は、今年度は人工神経回路網のアルゴリズムの研究、及び電気化学電極用インタフェース回路の製作を行った。前者についてはファジ-化した学習ベクトル量子化法(FLVQ)を本研究のソフトウェアに組み込むために、データの誤差をメンバシップ関数に反映させ、誤差の大きさを識別正解率に含ませる方法を確率した。インタフェース回路は、電極の電位をスイ-プし測定系の選択性を制御するために必要である。予備的回路が完成したため、次年度本格的な実験を行う予定である。
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