研究課題
平成5年度は高濃度カーボンドープの熱処理前後の物性、構造解析に重点を置いたが、下記に示す様にその目的はかなり達成された。1.ガリウム原料としてトリメチルガリウムと固体ガリウムを同時に供給することにより低温でも成長速度を落とさず10^<21>cm^<-3>までカーボンを有効にド-ピングすることに成功した。これによりアニール後の物性、構造評価に必要な充分に厚い高濃度カーボンドープGaAs試料が容易に得られるようになった。2.12月に研究代表者高橋はオーストラリアのウ-ロンゴング大学で関連研究を行っているワ-レス教授を訪問し研究成果に対する討論を行い、研究分担者野崎はアメリカカリフォルニア大学の研究分担者ウエバのもとで二週間共同実験を行った。1月には国外研究分担者ウエバとハネマンを招へいし、東工大、電通大で研究成果及び今後の実験計画に対する討論を行った。3.研究分担者森崎は学振の派遣研究者として3ケ月間ニューサウスウエールズ大学滞在中にエレクトロルミネッセンス(EL)測定装置を設置し、高濃度カーボンドープGaAsからのELを確認した。今後ELとPL結果の比較から高濃度カーボンドープGaAsの電子構造が明らかにされると期待される。平成5年度はMOMBE装置のポンプ、真空部品の修理、交換がかなりの頻度で行われ実験が長期にわたって中断されることがあった。このことは平成6年度にも予期されるので成長可能時に数多く試料を作製し、成長中断時でも評価が行われる様にし、6年度は充分な実験結果を得、科学論文誌、学会を通じて研究成果の数多くの発表ができる様に努める。
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