研究課題/領域番号 |
05044106
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
江原 幸雄 九州大学, 工学部, 教授 (10002346)
|
研究分担者 |
李 舟波 長春地質学院, 応用地球物理系, 教授
金 旭 長春地質学院, 応用地球物理系, 副教授
糸井 龍一 九州大学, 工学部, 助教授 (50108768)
茂木 透 九州大学, 工学部, 助手 (80182161)
|
キーワード | 地熱系 / 地熱貯留層 / 比抵抗 / 地熱変質 / チベット / 火山 / 地熱発電 / 地熱開発 |
研究概要 |
チベット南部の地熱地域のうち、代表的な地熱地域である羊八井地熱地域において、地表面温度、1m深地温調査,AMT探査、土壌水銀探査および変質帯の調査を行った。 1.地表面温度調査の結果、変質地域に最高温度20.6℃(バックグラウンド温度11℃)の高温地域があり、一部地域に噴気あるいは流体の流出が認められた。 2.1m深地温分布の高温異常は浅層地熱流体の流動を反映していると判断される。また、水銀濃度異常は地温分布と正の相関関係にある。 3.AMT探査の結果、浅層地熱流体の存在を示すと考えられる30オーム・m以下の低比抵抗ゾーンが100m以浅で確認された。 4.変質地域中心部の深度500m以深にも低比抵抗ゾーンが確認された。 以上の結果、当該地域北部において、深部から高温地熱流体が上昇し、それが側方流動に転じ、南方に流下するような初期概念モデルが立てられた。特に、当該北部地域の変質帯の中心部では弱いながらも噴気活動が存在することが確認された。また、変質帯発達の様相が九州中部のガラン岳火山に発達する変質帯と酷似していることが明らかにされた。以上のようなことから、周辺に新しい火山がなく、熱源が不明であった当該地熱地域の起源が火山性のものである可能性が強くなった。 本年度の調査結果、来年度の調査の中心を地熱流体の上昇が推定される変質帯の深部比抵抗構造の解明および地熱流体の上昇通路を反映する微小地震観測におくことにした。
|