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1993 年度 実績報告書

インフルエンザウイルスの起源と進化

研究課題

研究課題/領域番号 05044117
研究機関北海道大学

研究代表者

喜田 宏  北海道大学, 獣医学部, 助教授 (10109506)

研究分担者 河岡 義裕  セント, ジュド小児研究病院, 準教授研究員
R.G.WEBSTER  セント, ジュド小児研究病院, 主任教授研究員
岡崎 克則  東京農工大学, 農学部, 助手 (90160663)
伊藤 寿啓  北海道大学, 獣医学部, 助手 (00176348)
キーワードインフルエンザウイルス / 渡り鴨 / 営巣地 / 渡りの飛翔路 / ウイルスの存続 / 進化系統樹 / 凍結湖沼水 / 予測
研究概要

アメリカ合衆国アラスカ州で、夏季にインフルエンザウイルスを保有する水禽の営巣湖であることがこれまでの学術調査で明らかとなった。ビッグミント湖およびマラ-ド湖で、マガモ、オナガガモおよびカナダガンの糞便材料を採取し、これらからウイルスを分離して同定した。375の検体から21株のインフルエンザウイルスおよび12株のパラミクンウイルスが得られた。インフルエンザウイルスはH3N8が14株、H4N6が6株そしてH7N3が1株であった。
これらの中6株ならびに平成3および4年度の学術調査で分離したインフルエンザウイルスそれぞれ6株、計18株のNP遺伝子の塩基配列を決定し、系統樹進化解析を実施した。その結果、1)異なるインフルエンザウイルスが北方圏の水禽の間で、その営巣地で受け継がれていることを確認した。また、供試した18株のNP遺伝子は何れも北米大陸で鳥から分離されたウイルスのそれらに近似しており、アジアおよびヨーロッパで分離されたウイルスとは異なる系統に分類されたことから、2)ウイルス遺伝子が水禽の営巣湖沼によって異なること、ならびに3)ウイルス遺伝子を解析することによって、その宿主水禽の渡りの飛翔路を推定できることが判明した。
凍土からインフルエンザウイルス遺伝子を増幅し、検出することを試みているが、成功していない。これまでの実験によって、インフルエンザウイルスの遺伝子RNAはRNA分解酵素に高度に感受性であり、かつ土中のインヒビターが遺伝子の抽出・精製および増幅反応を障害することが明らかとなった。
インフルエンザウイルスの自然界における存続のメカニズムを解明するために、冬期に水禽の営巣湖沼の氷を採取して、これらからウイルス分離および遺伝子の検出を試みている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kida,H.: "Potential for transmission of avian influenza viruses to pigs" Journal of General Virology. (submitted). (1994)

  • [文献書誌] Ito,T.: "Perpetuation of influenza A viruses in waterfowls in Alaska" Archieves of Virology. (in preparation). (1994)

  • [文献書誌] Castrucci,M.R.: "Genetic reassortment between avian and human influenza A viruses in Italian pigs" Virology. 193. 503-506 (1993)

  • [文献書誌] Saito,T.: "Phylogenetic analysis of the N8 neuraminidase gene of influenza viruses" Virology. 193. 868-876 (1993)

  • [文献書誌] Shafer,J.R.: "Origin of the pandemic 1957 H2 influenza virus and the persistence of its possible progenitors in the avian reservoir" Virology. 194. 781-788 (1993)

  • [文献書誌] Saito,T.: "Antigenicity of the N8 influenza A virus neuraminidase:Existence of an epitope at the subunit interface of the neuraminidase" Journal of Virology. (in press). (1994)

  • [文献書誌] Kida,H.: "Avian influenza virus as the origin of human pandemic strains. In:Proceedings of the Third International Symposium on Avian Influenza" University of Wisconsin-Madison, 458(85-97) (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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