研究課題
1.キヒトデ精子のARIS受容体の分布を、電子顕微鏡レベルで調べ、精子頭部前側方の極めて狭い範囲に局在する事を明かにした。また、先体反応誘起後も受容体に結合したARISは、ほぼ元の位置に局在しつづけるを明かにした。また、光親和性標識試薬を用いて、ARIS受容体の標識を試みている。2.キヒトデの先体反応に関与する卵ゼリー中の精子活性化ペプチド8種の構造を決定し、3種の構造を推定した。いずれも34残基からなり、グルタミンに富み、ヂスルフィド結合を1つ持った環状ペプチドであった。また、これらのペプチドの遺伝子がタンデムに配列されている事が示された。3.ウニおよびキヒトデの配偶子ガングリオシドにつき構造解析を進め、更に4種のガングリオシドの構造を決定した。目下、各種のガングリオシドに対するモノクローン抗体を作成中である。4.イトマキヒトデを用い、1-メチルアデニン受容体と共役したG-タンパク質のβγ-サブユニットを卵母細胞に注射する事によって、1-メチルアデニンなしに卵核胞崩壊を誘起できる事を明かにした。また、原形質膜近傍に注射したものより、核近傍に注射した方が、卵核胞崩壊が早くおきる事を明かにした。また、βγ-サブユニットが細胞内の繊維状構造に添って配列している事が明かになった。5.卵との融合に関与する、カタユウレイボヤ精子の金属プロテアーゼを精製し、モノクローン抗体を作成中である。
すべて その他
すべて 文献書誌 (8件)