研究課題/領域番号 |
05044126
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
栗原 良枝 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90017715)
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研究分担者 |
〓 小〓 昆明植物研究所, 研究員
胡 忠 昆明植物研究所, 教授
片平 正人 横浜国立大学, 工学部, 講師 (70211844)
中谷 一泰 昭和大学, 薬学部, 教授 (40053855)
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キーワード | マビンリン / 耐熱性タンパク質 / 甘味タンパク質 |
研究概要 |
1.昆明植物研究所において、バビンロウの種子を採取し、マビンリンの精製法を確立した。これまでの研究で、マビンリンには少なくとも5種類の同族体が含まれていることがわかっており、このうちマビンリンIIのみが単離されていたが、本年度は他の同族体I-1、I-2、IIIおよびIVの精製法を確立した。 2.それぞれの同族体の熱安定性を測定した。II、III、IVの活性は80℃で1時間加熱しても失活しなかったが、I-1のそれは失活した。さらに、CDスペクトルの結果から、マビンリンの熱安定性の差はそれらのα-ヘリックス構造の安定性の差に起因することが明らかになった。 3.マビンリン同族体すべての全アミノ酸配列順序を決定した。その結果、各同族体のアミノ酸配列順序には、高い相同性がみられた。とくに、I-1とIIIでは3個のアミノ酸が異なるだけであった。このうち1個はIVに存在しないし、もう1個はIIで置換がみられないので、残りの一つのアミノ酸残(B鎖の47番目)が熱安定性に寄与していることが明らかになった。 4.マビンリンI-1およびIIのジスルフィド結合位置を決定し、両者は同じ位置に存在することを明らかにした。 5.マビンリンIIのプロトン-NMR測定を行い、立体構造を解析した結果、α-ヘリックスに特徴的なNH-NHのクロスピークが約50個観察された。この結果は、CDスペクトルの結果とよく一致している。
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