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1993 年度 実績報告書

ショウジョウバエの分子神経生物学に関する共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 05044135
研究機関九州大学

研究代表者

谷村 禎一  九州大学, 教養部, 助教授 (20142010)

研究分担者 中村 真  ジョンズホプキンス大学, 医学部, 研究員
クレイグ モンテル  ジョンズホプキンス大学, 医学部, 助教授
岡野 栄之  東京大学, 医科学研究所, 助手 (60160694)
キーワードショウジョウバエ / 神経発生 / 突然変異体 / シグナルトランスダクション / 感覚受容
研究概要

エンハンサートラップ法によって分離されたrepo,musashi-spike,argos突然変異体についての共同研究を行った。網膜電位が逆転するrepo突然変異体についてサーカディアンリズムの異常があることが谷村らによって明らかにされた。モンテルらは、repo遺伝子のクローニングおよびその発現パターンに関する研究を行い、repoではグリア細胞の分化に異常があることが明らかになった。リズム異常の原因がrepo突然変異体のグリア細胞の異常によるかを検討するのが次の研究課題である。spike突然変異体は網膜電位に異常があり、羽化後数日後のハエでは網膜が変性し網膜電位がスパイク様となる。このような異常が他の感覚器にも起こっているかを調べるために、味覚、嗅覚の感覚器からの神経応答を電気生理学的に記録した。複眼視細胞の発生分化にかかわるargos遺伝子をクローニングし、その塩基配列の決定からこの遺伝子はEGFモチーフをもつ分泌性のタンパク質をコードすることを明らかにした。argos遺伝子の発現パターンおよび突然変異体の解析から、抑制性のシグナルとして視細胞の分化にかかわっていることを明らかにした。谷村、岡野は、argos遺伝子産物の機能を明らかにするために、HSP70のプロモーターをつないだargosのcDNAを導入したtransgenic flyを作出し解析を行なった。3齢幼虫期及び蛹期にheat shockを与えargos遺伝子を過剰発現させた結果、複眼の形態異常及び翅脈の部分的消失が観察された。複眼を形態学的に解析したところ視細胞及び晶体細胞の数が減少していた。過剰発現によってhypomorphic alleleと逆の異常が現れたことから、argos遺伝子産物は複眼の発生及び翅脈の形成における細胞分化の抑制性シグナルとして機能していることが確認された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Murakami,R.Shigenaga,A.,Kawano,A.,Matsumoto,A.,Yamaoka,I.& Tanimura,T.: "Novel tissue units of regional differentiation in the gutepithelium of Drosophila,as revealed by P-element-mediated detection of enhancer." Roux's Arch.Dev.Biol.in press. (1994)

  • [文献書誌] Matsumoto,A.,Motoshige,T.,Murata,K.,Tomioka,K.,Tanimura,T.& Chiba,Y.: "Chronobiological analysis of a new clock mutant,Toki,in Drosophila melanogaster." J.Neurogenet.in press. (1994)

  • [文献書誌] Tanimura,T.: "Genetic dissection of taste transduction mechanisms in Drosophila." In:Olfaction and Taste(eds.Kurihara,K.et al.)Springer-Verlag. in press. (1994)

  • [文献書誌] Kimura,K.-I.,Usui,K.& Tanimura,T.: "Female myoblasts can participate in the formation of a male specific muscle in Drosophila." Zool.Sci.in press. (1994)

  • [文献書誌] Yoshikawa,S.,Miyamoto,I.,Aruga,J.,Furuichi,T.,Okano,H.& Mikoshiba,K.: "Isolation of a Drosohila gene encoding a head-specific guanylyl cyclase." J.Neurochem.60. 1570-1573 (1993)

  • [文献書誌] Kume,S.,Muto,A.,Aruga,J.,Nakagawa,T.,Michikawa,T.,Fruichi,T.,Nakade,S.,Okano,H.& Mikoshiba,K.: "The Xenopus IP3 receptor:Structure,function and localization in oocytes and eggs." Cell73. 73. 555-570 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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