研究課題
1.わが国研究分担者(森松組子、北海道大学)をスウェーデン側研究分担者(Dr.Bo Niklasson)の所属研究機関(Swedishi Institute for Infectious Disease Control)へ派遣し、抗体測定法に関する技術交換を行った。特に、組み換えDNA発現蛋白を抗原とするELISAの非特異反応軽減に関する技術を得た。また、森松氏が持参した単クローン性抗体をDr.Niklassonらがすでに作製してあった合成ペプチドとの反応性を解析し、エピトープの位置を同定することが出来た。2.中国側研究分担者(周 桂珍、中国医予防医学科学院)を研究代表者の所属機関である北海道大学に招聘した。周氏の持参した患者ならびにワクチン接種者由来経過血清について、中和抗体価迅速診断法を応用して、中和抗体価の変動を明らかにした。また、中和抗体測定時に補体を添加することにより、中和抗体価が4倍以上上昇することが明らかとなり、ワクチンの効果判定に有用な方法であると考えられた。3.周氏の持参した患者血清について、スウェーデン側との技術交換によって得たELISAとエピトープの同定された組み換え抗原を用いることによって、患者血清ではいずれもウイルス抗原のうち核蛋白のN末端100アミノ酸が抗原性が高いことが明らかになった。この部分を選択的に調製して診断用抗原にすることによって、より高感度の血清診断が可能であると考えられた。4.研究代表者(有川)中国予防医学科学院を訪問し、研究打ち合わせを実施するとともに、げっ歯類を対象とした疫学調査を実施し、ホルマリン固定臓器を得た。日本研究分担者(杉山ら)によってウイルス抗原の存在を免疫組織化学的に明らかにした。
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