研究課題/領域番号 |
05044179
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
雨宮 次生 長崎大学, 医学部, 教授 (60026862)
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研究分担者 |
津田 恭央 長崎大学, 医学部, 助手 (30253660)
嵩 義則 長崎大学, 医学部, 講師 (30244049)
BEN Jilani S シャルル, ニコール病院・病理学, 教授
OUERTANI Ame シャルル, ニコール病院・眼科, 教授
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キーワード | 翼状片 / ベーチェット病 / 免疫組織化学 / 電子顕微鏡 / 光学顕微鏡 |
研究概要 |
地中海地方に多い翼状片には、球結膜に出血をきたすものがあるが、我が国ではほとんどみられない。チュニジアで出血性翼状片を手術時中に採取し、我が国における翼状片と組織病理学的所見を比較することを目的として、チュニジアを訪問した。また、地中海地方と日本に多いベーチェット病の眼の臨床像を比較するために、患者の調査をすることも目的である。 翼状片は日光の強い季節に悪化すると考えられたので、チュニジアでの調査を8月にした。また、日光の強い地方がよりよいと考えられたので、チュニジア南部のジェルバ島を調査地として選んだ。しかし、日中気温が40℃以上になり、あまりに暑いために患者が病院を受診しないという欠点のあることが判明した。来院した患者のうち出血性翼状片については手術を施行し、その際採取した標本を固定液にいれて日本に持ち帰った。現在、光学顕微鏡による病理学的検索と、血管増殖因子についての免疫組織化学的検索を、日本において採取した標本とともに施行中であり、その結果は、平成6年4月中旬に開催される第98回日本眼科学会総会で発表される。発表者はチュニジアからの文部省国費留学生、長崎大学医学部眼科研究生のKria医師で、この意味でも国際学術共同の研究の実は上がったと思われる。 ベーチェット病症例も新患があり、2年前に調査した症例に加えられ、データとして蓄積された。チュニジアにおけるベーチェット病では、網膜に出血するなど血管性変化が著明でこの点が我が国におけるベーチェット病の臨床像と異なる点である。 酷暑の季節には、翼状片病変部が活動性で、意図する標本を得る確率は高いが、患者が暑さのために来院しないので、チュニジア側とこの点を再検討する必要がある。調査地ジェルバ島は調査に適した土地と考える。
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