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1994 年度 実績報告書

抗酸化因子としての必須微量元素セレンの役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05044184
研究機関北里大学

研究代表者

井村 伸正  北里大学, 薬学部, 教授 (70012606)

研究分担者 XIA Yiming  Chinese Academy of Preventive Medicine D, Head of De
BURK Raymond  Vanderbilt大学, 医学部, 教授
姫野 誠一郎  北里大学, 薬学部, 助手 (20181117)
豊田 春香  北里大学, 薬学部, 助手 (10197973)
キーワードセレン / セレン蛋白質 / 過酸化ストレス / ラジカルスカベンジャー / 遺伝子導入細胞 / 動物種差
研究概要

1.遺伝子導入法を用いることにより、selenoprotein P遺伝子を導入した培養細胞(Baby hamster kidney cells)を確立することが出来た。この細胞中から培地中に分泌されるselenoprotein Pの量は、通常の細胞に比べて3-5倍高いことが明らかになった。
2.セレン欠乏動物に過酸化ストレスを与えた際の、血漿中、組織中F2-isoprostanesのレベルを測定することにより、selenoproteinPがフリーラジカル産生物質による過酸化障害の除外に関与していることを示す結果が得られた。この結果は、従来用いられてきた脂質過酸化レベル測定法であるTBA反応性物質の測定では得られなかったものである。
3.ラットselenoprotein Pの蛋白質としての特徴と構造を解析することにより、selenoprotein Pがヘパリンに親和性を持つこと、また、ヘパリンに対する親和性の違いにより、selenoprotein Pをさらにいくつかのイソ蛋白質に分離できることが明らかになった。すなわち、ラット血漿中のselenoprotein Pは単一の均質な蛋白質ではなく、幾つかのイソ蛋白質の混合体であることが明らかになった。また、これらのイソ蛋白質の構成が、セレンの栄養状態や、酸化ストレスによって変動するという予備的知見も得ている。そのため、分子生物学的アプローチのみならず、selenoprotein Pに関する蛋白化学的な解析を進める必要性が生じた。
4.中国セレン欠乏地帯において、現在はセレンの補給効果もあり、克山病患者の発生は認められていない。そこで、本共同研究では、患者を対象とした研究よりも、むしろ、セレン補給によってどのセレン蛋白質が血液中に増加するのか、その構成とそれぞれの分子種の役割との関係を検討することを次年度以降の研究課題とすることとした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] A.W.Longmire: "Effect of oxygen tension on the generation of F_2-isoprostanes and malondialdehyde in peroxidizing rat liver microsomes" Biochem.Pharmacol.47. 1173-1177 (1994)

  • [文献書誌] J.A.Awad: "Effect of selenium deficiency and glutathione-modulating agents on Diquat toxicity and lipid peroxidation in rats" J.Pharmacol.Exp.Ther.270. 858-864 (1994)

  • [文献書誌] R.F.Burk: "Selenoprotein P.A selenium-rich extracellular glycoprotein" J.Nutr.124. 1891-1897 (1994)

  • [文献書誌] S.Himeno: "Characterization of selenoprotein P by peptide analysis" FASEB.J.8. A433-A433 (1994)

  • [文献書誌] R.F.Burk (Ed.): "Selenium in Biology and Human Health" Springer-Verlag, 221 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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