研究課題/領域番号 |
05044185
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
石川 博通 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (20051667)
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研究分担者 |
渡辺 守 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10175127)
糸原 重美 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (60252524)
利根川 進 マサチューセッツ工科大学, 生物学教室, 教授
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キーワード | γδ-T細胞 / 粘膜免疫 / 腸上皮細胞間T細胞 / キラーT細胞 / 無菌マウス |
研究概要 |
平成5年度の研究計画では、γδ-IELのキラーT(Tc)活性が高い系統マウス(High:H)とTc活性が殆ど認められない系統マウス(mull:N)が存在すること、Nタイプがdominantであること、さらにこのNタイプを規定する遺伝子の一つはH-2(マウスMHC)に連座することなどの知見をさらに進展させた。これらの成果を一つの論文にまとめ発表した(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:8204,1993) 一方、γδ-IELやαβ-IELはTc機能を保持するが、その生体内生理的リガンドは不明である。無菌マウスには通常マウスにほぼ匹敵するγδ-IEが存在するにもかかわらず、無菌マウスのγδ-IELはTc機能を欠損することが報告された。しかしながらこれと相反する研究結果もあり、結論が得られていなかった。我々はC57BL/6(B6)マウスのγδ-IELが普段から高いTc活性を発揮する事実に着目し、B6無菌マウスを作製した。B6無菌マウスIELのTc機能を解析した結果、αβ-IELのTc活性は消失するにもかかわらず、γδ-IELのTc活性は高く保たれることを見出した。すなわち前述の課題に決着をつけるとともに、この新知見はTcγδ-IELの生理的リガンド解明に極めて重要と考えられる。αβ-IELのTcは主として腸内微生物に向けられたものであり、γδ-IELのTcは腸内細菌以外の抗原をリガンドとする可能性が大である。これらの新知見を一つの論文にまとめ発表した(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:8591,1993)
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