研究分担者 |
広明 秀一 日本ロシュ株式会社研究所, 生物工学部門, 研究員
和田 健司 日本ロシュ株式会社研究所, 生物工学部門, 研究室長
古市 泰宏 日本ロシュ株式会社研究所, 生物工学部門, 部門長
EVE de Lamir McGill University, Urology Research Labor, research p
CLAUDE Gagno McGill University, Urology Research Labor, director
田中 宏樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (00217069)
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研究概要 |
1.臨床的研究:精子運動不良(精子無力症)患者の精子細胞内抽出液中に、精子運動を抑制する因子が含まれていることが共同研究者のde Lamirandeらにより予報されており、例数を増やしこの因子の存在を検討した。不妊症患者60例の精子細胞内抽出液で除膜、再付活したヒト精子運動の抑制の有無を観察したところ、運動率30%以下の症例では58%,30-60%では35%,60%以上の症例では27%に抑制因子を認めた。来年度にさらに症例数を増やしこの因子とSPMI(Seminal plasma sperm motility inhibitor)との関係を明らかにしたい。 2.基礎的研究:ブタSPMIのcDNAクローニングを開始した。ブタSPMIのN末端アミノ酸配列をsequencingして、DNAライブラリーから相同する蛋白を検策したところ、ブタ精子頭部に存在するzona pellucida-binding glycoproteinのAQN3とブタSPMIのN末端25残基までのアミノ酸配列が完全に一致していた。AQN3の全アミノ酸配列が報告されていたが、まだ未発表のAQNの遺伝子クローニングと全塩基配列の決定をまず行うこととした。AQN3の全長蛋白をクローニングし、全塩基配列を決定することに成功した。塩基配列をアミノ酸に翻訳し、発表されているアミノ酸配列と比較したところHomologyは98.3%であった。このDNAを用いて来年度、AQN3のmRNAがどの臓器で発現しているのか、さらにヒトにも相同な蛋白が存在するのかどうかを調べる予定である。またクローニングした蛋白をベクターに組み込み、大腸菌にて発現させ、産生された蛋白がSPMIの活性を持つかどうか明らかにしたい。
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