研究課題
少子化時代における子どもの生活、文化・環境に関して、日本(福岡)と中国(大連)の共同研究を行った。両国の研究者が、相互に協力国の教育委員会、幼稚園、小・中学校などの観察調査を行い、日本と中国の教育事情とその差異に関する理解を深めた。例えば、中国の幼稚園は人員・施設・設備によって特級・一級・二級等のランクがあり、特級の幼稚園では全体の6割の子どもが週5日間は家庭に帰る事なく園で生活する。小・中学校では日本と同様に進学競争が厳しい事などが把握された。この様な知見にもとづいて、幼児及び小学生の保護者を対象とした調査用紙と小・中学生を対象とした調査用紙の作成を行った。2つの調査の概要は以下のとおりである。1.幼児及び小学生の保護者を対象とした調査、(1)子どもの生活実態(身辺処理、遊び・交友関係、塾・お稽古ごと等)、(2)子どもの問題行動(心身症的行動、不登校、多動・注意散漫、非行等)、(3)保護者の育児様式(生活習慣、礼儀、勉強等)、(4)保護者の価値観(道徳、金銭、進学・学歴等)。2.小・中学生を対象とした調査、(1)生活実態(身辺処理、遊び・交友関係、塾・お稽古ごと等)、(2)価値観(道徳、金銭、進学・学歴等)、(3)教師との人間関係、(4)家庭の人間関係、(5)ストレス(家庭、学校、その他)。調査対象地域に関しては、中国では都市部と農村部の差異が大きい事から、両国とも調査地域を都市部と農村部に層化して調査を行う。既に、調査を開始しており、部分的には調査用紙が回収されつつある。集計・分析に関しては、日中それぞれで基礎的集計・分析を行い、その結果を持ち寄って詳細な分析方針を検討する予定である。