研究課題
1.渡英中の鯰越ならびに葛西は、ブリストル大学の相手方スタッフとの間で本研究に関する協議を行い、本年8月2日に『イギリス陪審制度を巡る諸問題』という題でシンポジウムを開催する準備をおこなった。このために日本側スタッフが日本における陪審制度をめぐる論議の整理・検討を行った。また、鯰越は「Criminal Justice System and Legal Culture in Japan」とのテーマで、エセックス大学にて講演を行い、ブリストル大学以外の研究者との間で意見の交換を行うことが出来ただけでなく、今後の情報ネットを作ることが出来た。2.南方は日本国内で鯰越ならびに葛西は英国において、英国での子どもをめぐる刑事司法の実状に関する情報を収集した。とりわけ、英国で近年深刻な問題となっている児童虐待事件における訴追上での論点に関する見解を集めた。被疑者の人権保障と子どもの証人資格(能力)など重要な問題があり、それらをめぐる研究者の主張を整理・検討した。3.これまでの研究の成果を踏まえて、日本側スタッフと英国側スタッフは英国の司法制度に関する論文をまとめる作業に着手した。陪審制度の歴史、治安判事裁判所制度をめぐる問題、陪審法廷における証拠の扱い、自白の処理などをテーマとしてまとめることになった。4.来年度は、前述のシンポジウムの他に、これまでの研究成果のまとめを行うこととする。本年秋に英国側スタッフが来日するので、英国でのシンポジウムを踏まえて最終的な作業のまとめをそこで行う予定である。5.葛西は、英国の裁判官、法延弁護士との間で意見交換を行い、法延における弁論技術をめぐる問題点ならびに弁論術教育に関する英国での特色などについて情報を得ることが出来た。
すべて その他
すべて 文献書誌 (1件)