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1995 年度 研究成果報告書概要

公共構造物の維持・管理・保全システムの構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05045031
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分大学協力
研究機関鳥取大学

研究代表者

西林 新蔵  鳥取大学, 工学部, 教授 (00032011)

研究分担者 朴 承範  忠南大学校, 工科大学, 教授
金 武漢  忠南大学校, 工科大学, 教授
黒田 保  鳥取大学, 工学部, 助手 (30263487)
吉野 公  鳥取大学, 工学部, 講師 (40135835)
上田 茂  鳥取大学, 工学部, 教授 (40261234)
權 赫文  嶺南大学校, 工科大学, 副教授
白木 渡  鳥取大学, 工学部, 助教授 (30032288)
井上 正一  鳥取大学, 工学部, 助教授 (10032286)
KWON Hung moon  Yeungnam University, Associate Professor
PARK Seung mun  Chungnam University, Professor
KIM Moo han  Chungnam University, Professor
研究期間 (年度) 1993 – 1995
キーワード公共構造物 / 損傷調査 / 維持 / 管理 / 保全 / 補修 / 補強 / 長寿命化 / Concrete
研究概要

1 研究の目的 最近、社会資本の充実・拡充と相まって、公共構造物の維持・管理・保全の行為が重要視されるようになったが、わが国における阪神大震災や韓国ソウル市における建築物の崩壊、道路橋の落橋などの大事故がそれに拍車をかける結果となった。公共構造物の構築に当たっては、その計画、設計、施工の各段階において、その機能と供用性に対し詳細な検討がなされなければならないが、既に出来上がった構造物に対しては、その機能が十分に発揮されるよう、かつ長寿命化を図るための綿密な維持、管理ないしは保全行為が適宜行われなければならない。本研究は、鳥取大学と韓国忠南大学校および嶺南大学校との間の学術研究交流の一環として、日韓両国の研究者が共同して、コンクリート構造物が置かれている環境条件、社会条件、使用条件を把握し、それが構造物にどのような影響をもたらすか、さらにはその維持・管理・保全にどのような手法を講じたらよいかを、材料学的ならびに構造学的見地から共同して調査・研究を行うために計画した。
2 研究の全体構想 構造物の実態に関する調査は、日本においてかなり詳しく行われてきている。そこで、本調査研究においては、研究グループが共同して韓国内における構造物の現況、ことに構造物の劣化、損傷について、その原因の究明と損傷の程度の評価等を行い、その構造物の維持・管理・保全の方策を検討する。韓国における調査結果と日本におけるそれとの比較を行い、双方の共通点、相違点を明らかにすることによって、環境条件や社会体制さらには使用条件の異なる国においても共通に適用できるような公共構造物、つまり社会資本の維持・管理・保全の体系を確立する。また、各年度に研究結果に対する討論会を開催するとともに、最終的には共同報告書として公表する。
3 調査研究の実施計画 (1)日・韓両国におけるコンクリート構造物の現況、特に超過荷重、塩害、アルカリ骨材反応、中性化などによる損傷状況についての詳細調査、(2)損傷状況を分類・整理、その程度のランク付け、(3)代表的な損傷の材料学的分析・解析手法による原因究明、(4)補修材料の選定、補修工法の検討、補修効果に関する材料学的ならびに力学的検討、(5)構造物の使用限界状態との関連で、振動特性や疲労特性の調査研究、(6)構造物の維持管理・保全システム構築についての検討、(7)韓国文、日本文による報告書の作成作業
4 研究結果 わが国および韓国における産業や社会構造は急激な変遷を遂げつつある。この中にあって、公共社会資本の充実は将来における国家の安定した発展と国民生活の維持を図る上で極めて重要な国の施策である。従来から、このような社会資本、つまり公共物の計画、設計、施工に関する研究は活発に行われてきたが、最近になって、既に構築された社会資本をいかに長期間にわたって有効に使用して行くかの問題に関心が払われるようになった。この発端となったのは、構造物の中でも特にコンクリート構造物の早期劣化が重大な社会問題となり、さらに最近発生した橋梁の落下事故や大地震による構造物の壊滅的な損傷は、公共構造物全体に対する信頼性を失墜する事態にもなった。これらの原因と対策のための調査研究が活発に行われる過程において、これらが材料や設計、施工、補修技術の更なる発展に繋がるとともに、構造物の耐久性設計、すなわち構造物の維持・管理・保全システムの構築が強く要望されるようになったのである。この問題は、日本に限られたものではなく、所謂経済先進国共通の問題でもある。韓国や台湾においては、最近になってこの種問題に関心が払われるようになり、日本における経験が参考にされてきている。しかし、環境条件や社会システム、さらには使用条件が異なるために、日本において設定された対応策が必ずしもそのまま適用できるとは限らず、新たなデータの蓄積、解析などの調査研究を通じて、この種の問題を合理的に解決して行かなければならない。研究によって得られた成果の概要は以下に示す通りである。
(1)国際的レベルでの構造物の維持・管理・保全の調査研究手法の確立、(2)構造物の補修・補強技術の開発、(3)構造物の長寿命化に関する理論的、実証的分析 以上の研究成果をもとに、知的生産と社会の安定を指向する社会資本の構築と、その維持・管理・保全システムの構築が可能になるものと考えられる。

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] Akira Yoshino: "A Study on Estimation of Flow Behavior of High Flowability Concrete" Transactions of the JCI. 15. 7-14 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 西林 新蔵: "各種保存条件下におけるコンクリートのASR膨張特性について" コンクリート工学年次論文報告集. 16. 1073-1078 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 井上 正一: "CFRP板で補強したRCはりの疲労強度と変形性状" コンクリート工学年次論文報告集. 17. 893-898 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 西林 新蔵: "画像処理によるAARひび割れのフラクタル解析条件に関する研究" コンクリート工学年次論文報告集. 17. 949-954 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 黒田 保: "オートクレーブ養生を行ったコンクリートのアルカリ骨材反応膨張特性" コンクリート工学年次論文報告集. 17. 937-942 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Shinzo Nishibayashi: "A Study on Alkali-Aggregate Reaction at The Electrical Field" Proceedings of 10th ICAAR. 10. (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Akira Yoshino: "A Study on Estimation of Flow Behavior of High Flowability Concrete" Transaction of the JCI. 15. 7-14 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Shinzo Nishibayashi: "Expansive characteristics due to ASR in Concrete under Several Storage Conditions" Proceedings of The Japan Concrete Institute. 16. 1073-1078 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Shoichi Inoue: "Fatigue Strength and Deformation Characteristics of Reinforced Concrete Beam Strengthened with Carbon Fiber-Reinforced Plastics Plate" Proceedings of The Japan Concrete Institute. 17. 893-898 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Shinzo Nishibayashi: "Study on Fractal Analysis Conditions of Crack due to AAR by Personal Image Analysis System" Proceedings of The Japan Concrete Institute. 17. 949-954 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Tamotsu Kuroda: "Expansive Characteristics of Concrete due to Alkali-Aggregate Reaction under Autoclave Curing" Proceedings of The Japan Concrete Institute. 17. 937-942 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Shinzo Nishibayashi: "A Study on Alkali-Aggregate Reaction at The Electrical Field" Proceedings of 10th ICAAR. 10. (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1997-03-04  

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