研究課題
果樹の栽培に関する分野において、まず、バンコクおよびチェンマイ周辺において苗木生産、とくに組織培養による苗木生産・供給について実態調査を行った。その結果いずれの地域においても、苗木の生産は、伝統的な方法により、小規模に行われているにすぎず、優良品種や系統の選抜および無病苗の生産体勢は整備されていない。したがって、それらの技術開発および供給体勢の整備を進める必要が大きいものと考えられた。次いで、組織培養による熱帯果樹の優良種苗の生産技術の確立を目的として、現地カウンターパートと、数種熱帯果樹について、研究材料とする優良系統の選抜・収集および組織培養による増殖条件を検討した。加工の分野においては、バンコク近郊の食品工場及びチェンマイ市内のマーケットを調査した。果実・蔬菜のどちらもバンコク周辺産のものは熟度、サイズ等は比較的整っており、加工用原料として問題は少ない。しかし、チェンライ、チェンマイ等タイ北部からトラック輸送される加工用原料については、傷害の発生等が多く、包装、輸送方法の改善が急務であることがわかった。果実の輸送における傷害発生の程度と関わりがあり、また、加工製品のテクスチャーを左右するところの組織成分の一つペクチンについて調べた。マンゴ、パパイア、パインアップル等数種の果実類のペクチンの定量を行い、それぞれの特徴を明らかにした。
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