研究分担者 |
SILVIO Alenc パウリスタ総合大学, ボツカツ校医学部, 助教授
EDUARDO Baga パウリスタ総合大学, ボツカツ校医学部, 助教授
RUNALDO Ponc パウリスタ総合大学, ボツカツ校医学部, 助教授
RUBENS G. Mo パウリスタ総合大学, ボツカツ校医学部, 名誉教授
MARCELLO Fra パウリスタ総合大学, ボツカツ校医学部, 教授
宇野 潤 千葉大学, 真核微生物研究センター, 助手 (40114243)
福島 和貴 千葉大学, 真核微生物研究センター, 助教授 (90114321)
寺尾 清 千葉大学, 真核微生物研究センター, 教授 (30009120)
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研究概要 |
パラコクシジオイデス症は中南米に発症する風土病で発症率は男子は女子に比べ高い。本症の原因菌Paracoccidioides brasiliensis(Pb)は菌糸形(M)、酵母形(Y)をとりうる二形性菌である。本菌は本来土壌真菌と考えられているが生態は不明であり、テレオモルフは未だ見つかっていない。大学間協定校パウリスタ総合大学ボツカツ校のあるボツカツ市は本症の流行地ということもあり、これまでにも当研究センターとの間で協同研究が行われてきた。 Pbが自然界から分離されたとの確かな報告がないため、本研究の目的の第一に自然界からの分離を目指し、基礎研究を重ね、フィールドでの実際の応用を試みた。Pbの自然界からの分離を困難にしている最大の要因は本菌の生育が他の真菌に比べ極端に遅い事にあるため、この点を克服する方策について基礎実験を行った。その結果、生理的性状の中から他の菌類ではあまり見られないpH9.4のアルカリ性でM,Y形ともに発育良好であることが判明した。またPbの酵母細胞からの水抽出液を馬血清と共にBHI agarに添加するとPbのコロニー形成率が顕著に改善されることを見いだした。そこでこの2つの要因を加えた培地を新たに作製し今回のPb分離培地とした。土壌サンプルはボツカツ校研究分担者による情報に従い、患者多発地帯から約800のサンプルを集めた。分離実験は土壌サンプルをマウスに投与し、24時間後肝、腎、肺、心臓、脾臓を摘出し前記の分離培地による分離を試みた。Pbの最終同定実験は現在も継続されているが、2,3株においてPbと疑わしい株が分離されており今後の進展に期待される。並行して黒色真菌、マイコトキシン生産菌の分離も進められており、ボツカツ地域のこれら菌類の生態学的研究に関する成果も近々提出する予定である。
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