重度顎顔面欠損症の研究

1994 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 05045045
• 研究機関: 東京医科歯科大学
• 研究代表者: 江藤 一洋 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (30014161)
• 研究分担者: KANOK Sorate チュラロンコン大学, 歯学部, 準教授 ; NARONGSAK La チュラロンコン大学, 歯学部, 講師 ; PIYAWAT Phan チュラロンコン大学, 歯学部, 準教授 ; SITTICHAI Tu チュラロンコン大学, 歯学部, 準教授 ; VISAKA Limwo チュラロンコン大学, 歯学部, 準教授 ; 石川 烈 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10014151) ; 黒田 敬之 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10013939) ; 大山 喬史 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50064366) ; 天笠 光雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00014332)
• キーワード: 顎顔面外科 / 顎顔面補綴 / 顎顔面矯正 / 重症歯周病 / 顎顔面の発生と発生異常

研究概要

1.<顎顔面外科に関する調査研究>チュラロンコン大学および東京医科歯科大学の顎顔面外科における1991年〜1993年の3年間の口腔悪性腫瘍、良性腫瘍、顎顔面裂奇形、顎骨骨折および顎関節疾患(手術症例)について調査・比較研究を行った。
2.<顎顔面補綴に関する調査研究>調査対象期間を1990年〜1994年の5年間とし、症例を口蓋裂、腫瘍、外傷、炎症、その他に大別し、それぞれについて、年齢、性別、現病歴、欠損形態、当該補綴治療などに関する調査項目の詳細が決定し、基礎的データの交換を行った。
3.<顎顔面矯正に関する調査研究>Dr.Kanokの申し出により、顎顔面矯正に関する研究テーマを、顎変形症の顎顔面矯正治療の実態と両国資料の頭部X線規格写真による分析データの比較をすることにした。分析項目、疫学的調査項目等について共通項を抽出した。
4.<重症歯周病に関する調査研究>6年以上経過の良好なPapillon-Lefevre症候群(PLS)患者2名について免疫学的検査から、特にActinobacillus actinomycetemcomitans(A.a.)に対する抗体価の低下がみられ、PLSに対するA.a.の関与がより強く疑われた。
5.<研究総括>各班とも順調に調査ならびに資料の分析を進めているので、次年度には総括シンポジウム(公開)をタイで行う予定である。なお、顎顔面の発生と発生異常に関する調査研究においても、マウス頭部神経堤細胞の分化機序について培養系で実験を進めており、興味有る結果が得られつつある。

研究成果

• [文献書誌] N.Osumi-Yamashita,K.Eto: "The contribution of both forebrain and mibdrain crest cells to the mesenchyme in the frontonasal mass of mouse embryos" Develop.Biol.164. 409-419 (1994)
• [文献書誌] M.Fujiwara,K.Eto: "Uchida rat (rSey):a new mutant rat with craniofacial abnormalities resembling those of the mouse Sey mutant" Differentiation. 57. 31-38 (1994)
• [文献書誌] Tanaka,N.,Amagasa,T.: "Maxillofaciol fractures in children" Journal of Cranio-Maxillo-Faciol-Surgery. 21. 289-293 (1993)
• [文献書誌] Hasegawa,K.Amagasa,T: "Oral and Maxillofacial reconstruction using free rectus abdominis myocutoneous flap." J.Cranio-Maxillo-Facial Surg.22. 236-243 (1994)
• [文献書誌] Takeda,K.Amagasa,T.: "Expression of Bane Morphogenetic Protein Genes in the Human Dental Pulp Cells" Bone. 15(5). 467-470 (1994)
• [文献書誌] 石渡寿夫・大山喬史: "下顎半側切除患者におけるタッピング時と最大咬みしめ時の咬合位の研究" 顎顔面補綴. 16. 17-28 (1993)
• [文献書誌] 鈴木るり、大山喬史: "両側性唇顎口蓋裂患者の補綴処理に関する研究-連結範囲が咬合力負担能に及ぼす影響-" 日本口蓋裂学会雑誌. 19. 137-147 (1994)
• [文献書誌] 加藤嘉之、天願俊永、清水利江子、宇治正光、本端信義、黒田敬之: "顔面非対称症例の正面頭部X線規格顎分析" 日本顎変形症学会雑誌. 4. 87-95 (1994)
• [文献書誌] 加藤嘉之、天野光章、黒田敬之: "Craniosynostosisの1症例" 東京矯正学会雑誌. 4. 12-19 (1994)
• [文献書誌] I.Ishikawa,N,Laosrisin: "Clinical,bacteriological,and immunological examinations and the treatment process of two Papillon-Lefevre syndrome patients." J.Periodontol.65. 364-371 (1994)
• [文献書誌] J.Hayashi,I.Ishikawa: "Effects of cytokines and periodontopathic bacteria on the leukocyte function-associated antigen 1/intercellular adhesion molecule 1 pathway in gingiva fibroblasts in adult periodontitis." Infect.Immun.62. 5205-5212 (1994)