研究課題/領域番号 |
05045053
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
濱 尭夫 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (10068215)
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研究分担者 |
SABARIJAH Wi インドネシア大学, 理数学部, 教授
ENDANG Hanan インドネシア大学, 理数学部, 教授
神谷 浩平 神戸学院大学, 薬学部, 実験助手 (80258110)
細野 恭平 神戸学院大学, 薬学部, 助手 (70209245)
佐武 紀子 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (80103076)
岡本 博 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (00028870)
藤井 正美 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (10165342)
斎木 保久 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (60068210)
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キーワード | インドネシア / 伝統薬物 / 民間医療 / ジャム- / Jamu / 薬用資源 / 薬用植物 |
研究概要 |
民間医療調査として首都であるジャカルタ、東部ジャワ州のマズラ島、スラバヤにおいて[Jamu]に関する意識調査を試みた。都会であるジャカルタでは、17〜45才の女性40名中62%の人がJamuを服用し、その内75%はほぼ毎朝ジャムウゲンドン(女性の売子)からコップ1杯の出来たてのJamuを飲んでいる。さらに35%は粉末製品等工場製品を購入し、これ等のJamuにかかる費用は月収の1〜10%(5%が最も多い)にもなり、これは大きなウエイトを占めている。すなわち彼等にとって衣食住Jamuともいうべき支出である。また病気の治療のためよりも健康維持のために服用する人は71%もいる。本当の病気のときは病院へ行き近代薬を服用する。一方病院の見あたらない農村地帯,マズラ島では薬局が多く存在し,そのオーナーから聞き取り調査を試みた。それによると殆どの住民は病気の治療にJamuを服用している。この様な薬局では平均23種類のJamuが処方され、その1種について20〜40種類の生薬を配合している。これ等の処方は昔からの言い伝えをアレンジして処方している。この様な形式で次年度は以下の所で訪問調査を試みる予定である。1)行政(保健省伝統薬課)2)Jamu製造企業、販売業 3)一般市民 2〜3に関しては地域差が非常に大きいと思われる。薬用植物調査では1000枚以上のスライド写真を撮り、さく葉標本も1000種ほど作って、鑑定をしている最中である。市場調査で購入したJamu生薬[現地名Ulet-ulet,学名Helicteres isola)の成分研究ではtiliroside(1),rosmaric acid(2),と新化合物4,4'-O-β-D-diglucopyranosyl rosmarinic acid(3)を得た。2は喘息、歯周炎に対する抗炎症作用、コブラの蛇毒の減毒作用があり、この生薬の薬効に対応する。
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