研究概要 |
1、実験、分析法の確立をめざして (1)超高圧の発生:焼結ダイアモンド(SD)を用いて実験圧力の拡大を計り、30GPa以上の圧力と1500℃までの温度発生が実現した。しかし、目的とする50GPaの発生にはSDのサイズ拡大が必要であることが明らかになり、これを年限内に是非実現させたい。 (2)主要、半微量元素分析:×線マイクロアナライザーが導入された。けい酸塩、鉄合金分析用の標準試料も整備され良好な状態で稼働をはじめた。 (3)徴量、極微量元素分析:二次イオン質量分析計の整備とともに、30以上の元素について数ppm以下の濃度をもつ50個以上の標準試料の選定を行なった。その結果、火山ガラスの稀土類元素(REE)の分析が極めて安定に行なえることが確認された。 2、高圧高温下での溶融鉄と溶融けい酸塩の反応 (1)マントルの主要元素であるSiとOが圧力の増大にしたがって溶融鉄に溶解することまた冷却にともないしSiO_2、FeOからなる不混和液が生ずることが認められ、これらの元素が外核の軽元素である可能性が示されるとともに、中心核分離に伴うマントル組成の変化、中心核の化学的進化が検討された。 (2)Fe,Fe-S系藤体へのMn,Ni,Coの分配を26GPaまで調べた。現在までの結果はマントルと中心核が化学的に平衡ではないことを示唆している。 (3)REEの分配が調べられ、高圧下では溶融けい酸塩に対して軽REEが溶融鉄に濃集する傾向が認められた。今後、定量化を進めて行く。
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