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1994 年度 実績報告書

免疫病の分子・遺伝子治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05102005
研究機関大阪大学

研究代表者

岸本 忠三  大阪大学, 医学部, 教授 (10093402)

研究分担者 小川 啓恭  大阪大学, 医学部, 助手 (80194447)
佐伯 行彦  大阪大学, 医学部, 助手 (40240840)
田賀 哲也  大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (40192629)
審良 静男  大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (50192919)
キーワードサイトカイン / gp130 / APRF / STAT3 / NF-IL6 / ノックアウトマウス / CD40 / CD23
研究概要

サイトカイン共通信号伝達分子、gp130を介する信号を核内に伝達し、遺伝子発現を誘導する分子APRF/STAT3の遺伝子クローニングに成功し、その全構造を決定した。その結果、gp130から遺伝子発現に至るシグナル伝達の2つの経路すなわちi)Ras-MAPカスケードからNF-IL6の活性化とII)JAK-STATの全容が明らかとなった。これらサイトカインのシグナル伝達に関わる分子の生体内における生理的、病理的役割を明らかにするため、gp130,NF-IL6をコードする遺伝子を破壊したノックアウトマウスを作成した。その結果明らかになったことは、gp130ノックアウトマウスにおいて最も顕著な変化は心室壁が紙のように薄く.なることであり、この結果からgp130は心筋細胞の増殖、分化に必須のシグナルを与えていることが明らかとなった。gp130を介して恒常的にシグナルが与えられるようなトランスゲニックマウスを作成すると心肥大がひきおこされることも確認された。その他gp130は胎生期の造血、胎盤の正常な形成にも必須のシグナルを与えていることが明らかとなった。
転写因子NF-IL6ノックアウトマウスは細菌感染に対する防御、特にマクロファージが関与する防御が完全に失われることが明らかとなった。このマウスにおいてはγインターフェロンやNO(一酸化窒素)の生成は全く正常であるにも関わらず、マクロファージは全くリステリアを殺せないことよりNO非依存性の殺菌機構が存在することが発見された。
その他、Bリンパ球の機能に重要な役割を果すCD40,CD23分子の遺伝子破壊マウスが作成され、CD40がりンバ節の胚中心の形成に必須であること、又IgMから他のクラスへの転換にも必須のシグナルを与える分子であることが確認された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kishimoto,T.et al.: "Cytokine signal transduction" Cell. 76. 253-262 (1994)

  • [文献書誌] Kopf,M.et al.: "Impaired immune and acute-phase responses in interleukin-6-deficient mice." Nature. 368. 339-342 (1994)

  • [文献書誌] Nishimoto,N.et al.: "Oncostatin M,Leukemia inhibitory factor,and Interleukin-6induce the proliferation of human plasmacytoma cells via the common signal transducur,gp130." J.Exp.Med.179. 1343-1347 (1994)

  • [文献書誌] Akira,S.et al.: "Molecular cloning of APRF,a novel IFN-stimulated gene factor 3 p91-related transcription factor involved in the gp130-mediated signaling pathway" Cell. 77. 63-71 (1994)

  • [文献書誌] Kawabe,T.et al.: "The Immune responses in CD40-deficient mice;Impaired immunoglobulin clss switching and germinal center formatuon." Immunity. 1. 167-178 (1994)

  • [文献書誌] Tanaka,T.et al.: "Targeted disruption of the NF-IL6 gene discloses its essential role in bacteria killing and tumor cytotoxicity by macrophages." Cell. 80. 353-361 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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