研究課題/領域番号 |
05102006
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木下 タロウ 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10153165)
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研究分担者 |
井上 徳光 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (80252708)
竹田 潤二 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (50163407)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | GPIアンカー / 発作性夜間血色素尿症 / 糖鎖遺伝子 / 遺伝子病 / 造血幹細胞 / X染色体 / 体細胞突然変異 / 補体 |
研究概要 |
発作性夜間血色素尿症(PNH)の分子病態学。PNHは、GPIアンカー生合成遺伝子PIG-Aの造血幹細胞における突然変異と、異常細胞によるクローン性占有により発症する。63症例を解析し、全例にPIG-Aの異常を認めたので、PIG-Aが少なくとも大部分の症例の病因である事が確定した。体細胞突然変異はさまざまな小さな変異で、遺伝子内に広く分布しており、ランダムに起こっていた。20%の症例で複数のクローンが見つかり、オリゴクローナルな疾患である事がわかった。他の生合成遺伝子が病因にならないのは、PIG-AがX染色体にあり、他が常染色体にあるためであると考えられる。実際、PIG-FとPIG-Bが2番、5番染色体に存在することを証明した。 PIG-Aの突然変異だけでクローン性占有が起こるかを知るため、マウスの相同遺伝子Pig-aを破壊してGPIアンカー欠損になったES細胞を作製し、キメラマウスを作った。GPIアンカーは形態形成に必須であるらしく、高いキメラ率のマウスは生まれなかった。低キメラ率のマウス6匹の赤血球にGPIアンカー欠損細胞が存在した。その割合は、生後、5-10ケ月間は増加しなかったので、クローン性占有には第2の要因が重なっていることが示唆された。6匹中1匹で12ケ月頃より欠損細胞の増大が起こり、4%から、17ケ月目に30%に達し死亡した。これは、第2の要因が発生したかもしれないので、今後マウスの数を増やして再現性を検討する予定である。 2.PIアンカー生合成遺伝子群の構造と機能の解析。哺乳動物の6遺伝子を新たにクローニングし、従来のと合わせ9遺伝子が明らかになった。第1ステップに働くPIG-AとPIG-Hタンパク質が小胞体の細胞質側で複合体を作っていること、中期に働くPIG-Bタンパク質が小胞体の内腔側で働くことを示し、生合成のトポロジーの理解が進んだ。
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